概要:ランドスケープ・アーキテクチャの空間,歴史,思想,方法などの初歩について講義する。ランドスケープの対象とする外部空間である、庭・公園・河川・道路・緑地・広場・海岸などの物理的・形態的性質を、意味、制度、機能、デザイン、エコロジーなど社会的・理念的性質から読み取る方法を講義する。
ねらい:人間と外部空間の複雑で深遠な関係とそれへの制度的,技術的,芸術的な介入の歴史的展開、手法を理解し、表現できるようになる。
本講義を履修することによって以下の能力を修得する。
1)ランドスケープの社会的役割と、その歴史的展開を理解し表現できるようになる。
2)ランドスケープの表す世界観を支える諸技術を理解し表現できるようになる。
3)これからの時代におけるランドスケープの重要性と可能性を理解し表現できるようになる。
ランドスケープ、都市、庭園、公園、広場
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の進め方:トピックに関する講義を1時間程度行い、30分程度具体的事例をスライドで紹介する。
15回の進め方:前半はランドスケープの歴史的展開、後半はランドスケープをめぐる現代的課題について論ずる。
講義形式の特徴:スライドを中心にビジュアル素材を多用する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オリエンテーション | ランドスケープの学問的位置づけを理解する。 |
第2回 | ランドスケープとは:人間と自然の関係の空間的表現 | ランドスケープの理論的位置づけを理解し、表現できるようになる。 |
第3回 | 日本庭園史 1 古代から中世へ | 日本庭園の黎明期から完成期の特徴や世界観にを理解し、表現できるようになる。 |
第4回 | 日本庭園史 2 中世から近世、近代 | 日本庭園の完成期から円熟期の特徴や世界観にを理解し、表現できるようになる。 |
第5回 | 西欧庭園史 1 古代、中世からルネサンスへ | 西欧庭園の黎明期から完成期の特徴や世界観にを理解し、表現できるようになる。 |
第6回 | 西欧庭園史 2 近代の庭園様式へ | 西欧庭園の完成期から円熟期の特徴や世界観にを理解し、表現できるようになる。 |
第7回 | 西欧の広場史 | 西欧都市に特徴的な都市広場の社会的文脈を歴史的に理解し、表現できるようになる。 |
第8回 | 西欧の公園史 | 西欧都市に誕生した公園の役割と形態を理解し、表現できるようになる。 |
第9回 | 日本の公園緑地計画史 | 日本に導入された公園緑地の役割と形態を理解し、表現できるようになる。 |
第10回 | ランドスケープ・デザインの現場 | 現代のランドスケープ・アーキテクチャがどのように実践されているのか、理解し、表現できるようになる。 |
第11回 | ランドスケープとアート | ランドスケープと現代アートとの関係を、理解し、表現できるようになる。 |
第12回 | ランドスケープに関わる法制度 | 現代のランドスケープに関わる法制度を、理解し、表現できるようになる。 |
第13回 | ランドスケープと住民参加 | 人々が生活の中から紡ぎだすランドスケープを理解し、表現できるようになる。 |
第14回 | ランドスケープの課題 :エコロジカル・デモクラシーについて | 次世代のランドスケープに必要とされるエコロジカル・デモクラシーを理論的に理解する。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
オリジナルの講義なので、教科書は指定しない。講義で扱う資料などは、事前にOCW-iにアップする。
・R.T.ヘスター「エコロジカル・デモクラシー」鹿島出版会
・日本造園学会編「ランドスケープ大系1~7」技報堂出版
・M.フランシス、R.T.ヘスター「庭の意味論」鹿島出版会
・齋藤潮、土肥真人「環境と都市のデザイン」学芸出版
レポートを計2回提出する。それぞれ、理解度(25点)、知識力(25点)、構成力(25点)、表現力(25点)を評価し、採点する。
事前に身につけているべき知識や技術はない。