「多様性」の理念は現代において、私たちの生活や、学術や専門的分野の場においても、ますます必要とされている。多様性を受け容れられる社会の構築のためにまず求められるのは、じっくりと対話をし、そして多文化との共存を目指していくために観察力を養い、理解を深め表現力を磨くことである。
この授業の特徴的なねらいは、国籍や出身地域、使用言語、文化的背景を異にする学生同士が互いに理解し合い関係を築くため、コンテンポラリーアートの視点を導入することである。アーティストやキュレーターとして長年活動してきたゲスト講師による監修の元で、使用言語の違いの影響をなるべく最小限に留めながら、様々な表現形式(音楽やパフォーマンスなども含む。ジャンルは問わない)によるコンテンツ制作に取り組む。多様性の表現や多文化理解に資するため、最後にそれらを公開発表し、更なる議論の土台とすることを目標とする。
1.東工大の留学生をはじめ、多様性をもつ人々との関係性を築くことに積極的な姿勢を持てるようになる。
2.アートによる文化理解の考え方を深めると共に、アート表現を支える人文科学的な文脈と理工系の双方のアプローチの共通点・相違点をめぐって気づきを得ることができるようになる。
3.制作活動を通して、多文化環境の下での個々のアイデアの相互理解や協働作業を経験できる。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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授業担当となるゲスト講師は、アート業界で国際性豊かな経験を積んでいる。 |
多文化理解、芸術、音楽、アート、パフォーマンス、留学生、国際共修、ワークショップ、制作活動
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
✔ 表現力、批評力、芸術性 |
授業は個人のアートワーク作品制作・発表を課題とする。作品制作で用いるメディウム(素材、媒体)もアウトプットの方法(ジャンル)も自由とします。チャレンジしたいことや得意な表現方法などを考えておくこと。
例) あくまで例です。
ジャンル:映像、写真、絵画、彫刻、歌、楽器、詩、パフォーマンス、インスタレーションなど
メディウム:水彩、紙、筆、楽器、ファウンドオブジェクト、身体、声、言葉、粘土、食べ物など
テーマ 「Unpredictable(予測不能な、あらかじめ知りえない)」
授業の制作演習①②においては、各回ペアを形成し、アイディア交換をしながら、制作を行う。上記演習においては、自分という個人の表現でありながらも、本人がコントロールできない状況を作り出し、その中で他者とコミュニケーションをとりながら、アートワーク制作を行う。最終成果物は、個人のアートワーク作品とする。
全7回で行われる授業は、自己紹介と講師の活動紹介、制作と制作物の公開発表を含む。制作での学生同士のコミュニケーションや外部講師との連絡は、授業全体を通して担当教員が行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 11月13日(月) 午後1:30~午後3:00 ギャラリー訪問、展覧会や説田礼子講師の活動紹介、参加者の自己紹介。 銀座メゾンエルメスにて実施。 | 【事前課題】11月6日(月)提出期限、レポート「私にとってアートとは何か?」。講師の問題提起「アートとは何か?」のもと、受講者は今までに感動したアート作品や体験の紹介をし、自身のアートへの関心や関係、好きなジャンルなどを語る。 |
第2回 | 11月13日(月) 午後3:15~午後5:00 制作 演習① ペアでの作業 | 【課題】事前に個別に発表(5分、テーマ・メディウムなど)を考えてくる。制作に必要なメディウム(紙、絵の具、楽器、その他)も各自、用意し、具体的なイメージを持って作品に挑んでもらう。 |
第3回 | 11月20日(月) 午後1:30~午後3:00 前回の話し合いをもとに、河合政之講師の具体的な活動を例として、ディスカッション。大岡山キャンパスレクチャーシアターにて実施。 | |
第4回 | 11月20日(月) 午後3:15~午後5:00 制作 演習② ペアでの作業 本館H-B101(H102)にて実施。 | |
第5回 | 11月27日(月) 午後1:30~午後3:00 制作・発表・講評 本館M-B107(H104)にて実施。 | |
第6回 | 11月27日(月) 午後3:15~午後5:00 ワークショップ6。 制作活動の続き。最終発表の準備。本館M-B101(H102)にて実施。 | 受講者はさらなる制作に取り組む。最終日の発表に向けてプレゼン方法を構築する。 |
第7回 | 11月27日(月) 午後5:15~6:55 成果発表と講評。 授業で問われた問題(アートとは何か、多様性とは何か、また多様性をどう受け入れるか)のふりかえり。本館M-B101(H102)にて実施。 | 受講者は作品の成果を公開発表し、みなで講評・ディスカッションを行う。 |
講師が適宜、指示・配布する。
講師が適宜、指示・配布する。
授業課題のレポートや作品の提出物、授業での積極性、制作における取り組みの様子と最終発表の内容をみて総合的に評価を行う。
事前レポート課題として、講義第1回までに「Introduction of an art piece from my country(自身の母国のアート作品についての紹介)」と題したエッセイを履修者は提出してください。授業は対面で教室にて実施します。履修者は20名程度とします。言語能力を問わず、国際交流に興味のある学生の積極的な参加を歓迎します。