2023年度 博士企業経営とビジネスモデルケーススタディ   Doctoral Case Studies on Corporate Management Strategies and Business Models

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開講元
キャリア科目
担当教員名
和泉 章  伊東 幸子 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8  
クラス
-
科目コード
LAC.P651
単位数
1
開講年度
2023年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2023年9月21日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

博士課程の修了後に産業界のリーダーとして活躍していくためには、技術だけではなく、企業戦略、財務、イノベーション、人事戦略などについても幅広く理解することが必要になる。
この講義は、様々な個別企業や産業界のビジネス事例を取り上げて、技術や社会環境、政策や法律などのルール、企業経営等がどのように影響を与えるのかを理解することを目的とする。履修学生は、自分の専門分野や将来の進路と必ずしも関係がない産業分野や企業であっても、ビジネス事例のなかから将来、自分のキャリアを構築するにあたり役立つことを見出していくことが求められる。

この講義は、2023年度から新たに開講する。

到達目標

本科目を履修することによって以下を修得する。
1) 就職活動及び将来のキャリアを構築していく上で必要不可欠な知識として、企業の経営戦略、財務、イノベーション、人事戦略について事例をもとに理解する。
2) 技術や社会環境、政策や法律などのルール、企業経営等がビジネスにどのような影響を与えるかについて事例をもとに理解する。
3) 上記1)、2)の理解をもとに、企業経営やビジネスの場に自分がいたらどのように考え、行動するのか、自分の問題として考える力を身につける
4) 将来の産業界のリーダーとして、狭義の専門知識のみならず、企業経営、財務、イノベーション、人事戦略の重要性を知り、修了後も継続的に学び続けるきっかけを得る。

実務経験のある教員等による授業科目等

該当する 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容)
中央官庁、大学、企業等で豊富な実務経験を持つ教員等が、自らの研究や経験に基づき実際のビジネスに関する事例を紹介し、実践的な教育を行う。

キーワード

経営戦略、財務、イノベーション、人材戦略

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業はZOOMによりオンラインで行う。授業では講師と履修学生の間で双方向性を確保することが重要なので、履修学生はリアルタイムで参加することが原則。

パワーポイントを利用し、実例や図表を多用して理解しやすい授業を行う。また、投票機能の活用や質問時間を設けることで履修学生からも積極的な発信を求める。

毎回の授業において課題を課し、レポートの作成・提出を求める。レポートは評価に反映させるとともに、履修学生が、将来、自らのキャリアを構築していく上で読み直して参考にできる内容とする。また、提出されたレポートのなかで履修学生が共有すると参考になる内容については、後日、必要に応じて講師のコメントを付けた上でフィードバックを行う。

講師(順不同)
  伊東幸子 東京工業大学学生支援センター教授、副センター長、未来人材育成部門長
  和泉 章 東京工業大学イノベーション人材養成機構特任教授 

講義順が入れ替わったり、授業内容が変更になることがある。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション、財務諸表の見方【和泉 章】 企業の財務諸表の見方について基本的な事項を理解し、自らの進路に関連する企業や、関心を持つ企業について財務面から概要を把握できるようになる。また、ビジネスにおける金融や利益についての基本的な考え方を理解できるようになる。さらに、それらのなかから自分の将来のキャリア構築において役立つ、あるいは活用できることを見いだすことができる。
第2回 企業ビジネスのケーススタディ:ハウス食品(株)【伊東幸子】 ハウス食品における研究開発の事例(あらたな酵素の発見、涙が出ない玉葱の作出、イグノーベル賞受賞)から、企業における研究開発及び事業化の実際と、企業における博士研究者の役割について理解する。企業において研究開発が主導してイノベーション起きるメカニズムについても理解する。さらに、それらのなかから自分の将来のキャリア構築において役立つ、あるいは活用できることを見いだすことができる。
第3回 半導体ビジネス【和泉 章】 半導体ビジネスは、先端技術の開発だけでなく、資金調達やビジネスモデルの構築方法や、他社の連携、経済安全保障も深く競争力に関連していることを理解する。さらに、それらのなかから自分の将来のキャリア構築において役立つ、あるいは活用できることを見いだすことができる。
第4回 企業ビジネスのケースステディ:宝塚歌劇団【伊東幸子】 宝塚歌劇団は、顧客満足度が非常に高いエンターテインメントである。顧客満足度の高さを実現する仕組みはどのようになっているのか、経営戦略の観点から検討することを通じて、研究においても必須となるユーザーへの訴求という観点を身に付けることを目指す。さらに、それらのなかから自分の将来のキャリア構築において役立つ、あるいは活用できることを見いだすことができる。
第5回 再生可能エネルギービジネス【和泉 章】 太陽光、風力、地熱等の事例を通じて、再生可能エネルギービジネスが、技術だけでなく、政府による制度作りやビジネスモデルの構築方法と深く関係していることを理解する。さらに、それらのなかから自分の将来のキャリア構築において役立つ、あるいは活用できることを見いだすことができる。
第6回 企業ビジネスのケースステディ:(株)キーエンス【伊東幸子】 株式会社キーエンスは、利益率が非常に高い企業として有名である。高い利益率を継続的に実現する仕組みはどのようになっているのか、経営戦略や人事戦略の観点から理解する。高い付加価値を実現するためのマインドについても理解できるようになる。さらに、それらのなかから自分の将来のキャリア構築において役立つ、あるいは活用できることを見いだすことができる。
第7回 鉄道ビジネス【和泉 章】 海外を含む鉄道ビジネスを例に公共インフラビジネスの概要やリスクについて理解する。さらに、それらのなかから自分の将来のキャリア構築において役立つ、あるいは活用できることを見いだすことができる。

教科書

市販教科書は使わない。毎回、講師が用意する講義資料を原則、事前にT2SCHOLAにアップする。

参考書、講義資料等

「【増補改訂】 財務3表一体理解法」 國貞克則著 朝日新聞出版 ※
「会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方」大手町のランダムウォーカー著 KADOKAWA ※
「財務3表 速攻マスター術」國貞克則著 PHP研究所 ※
「経営とお金の原則」永守重信著 日本経済新聞出版 ※
「ビジネススクールで身に着ける 会計×戦略思考」大津広一著 日本経済新聞出版 ※
「現代経済学の直観的方法」長沼 伸一郎著 講談社 ※
「もしも世界に法律がなかったら 「六法」の超基本がわかる物語」木山泰嗣著 日本実業出版社 ※
「ビジネス常識としての法律(第3版)」堀龍兒 淵邊善彦著 日経文庫 ※
「理系のための法律入門 第2版 デキる社会人に不可欠な知識と倫理」井野邊 陽著 ‎ 講談社ブルーバックス ※
「イノベーションの理由 -- 資源動員の創造的正当化」武石彰、青島矢一、軽部大著 有斐閣※
「プラットフォームビジネス デジタル時代を支配する力と陥穽」マイケル・A・クスマノ、アナベル・ガワー、デイビッド・B・ヨッフィー著、青島矢一監訳 有斐閣
「高収益事業の作り方(経営戦略の実践Ⅰ)」三品和広 東洋経済新報社 ※
「経営戦略を問い直す」三品和広 ちくま新書 ※
「人事管理 人と企業ともに活きるために」平野雅俊、江夏幾太郎 有斐閣ストゥディア

(※)は、東工大図書館に蔵書があるか、あるいは購入依頼中。

成績評価の基準及び方法

毎回の授業で課題が出され、それに対するレポートの提出が求められる。提出期限までに提出されたレポートについて、課題に対してどれだけ深く考察され、考察の結果が十分に記述されているかについて各授業同一のウェイトで評価する。

関連する科目

  • LAC.C601 : 博士キャリアデザイン

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

授業は日本語で行われるので、その内容を理解できる日本語力が必要である。
レポートは、日本語でも英語でも可。
なお、英語で開講されているキャリア科目もあるので、自身の語学力に照らして適切な科目を受講することが望ましい。

その他

この科目に対応するGA(Graduate Attributes)は、GA1D である。

IIDPで開講されているキャリア科目一覧は下記URLを参照のこと。
(https://www.titech.ac.jp/student-support/students/life/career-education)

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