科学者・技術者にとって、母国語の役割とは何か、歴史の意味とは何かをとりあげる。言語は単なるコミュニケーションの手段ではなく、思考と根源的に関わる。人は深くものを考えるときには、母国語で考えている。日本は、母国語で大学院レベルの教育ができる国は数少ない国の一つである。それは、明治の初めに、西周たちが欧米の学術用語をほぼすべて日本語に訳して、日本語の語彙の中に取り込んだお陰とも言える。一方、その負の側面として英語が不得意という面もある。
そのことの功罪を徹底討論したい。
欧米の知識人と懇談すると、歴史の話題が実に多い。彼らにとって、歴史は教養の最たるものなのだろう。そのときに歴史は事実の羅列ではなく、時間空間的に縦横に話題を選び歴史観を展開される。
そもそも、「歴史とは何か?」歴史は現在の観点で書かれるべきなのか、それともその当時の人の目線で語られるべきかを徹底議論したい。また、科学・技術の世界史的な位置づけはどうなのか、これから何処に行くか、学生の考えを引き出したい。
討論授業であるので議論を深める練習が重要であり、途中で意見を変えても良い。相手の見解に同意しなくても理解する事が求められる。討論を踏まえ考えを文章にまとめる。
討論授業、母国語、歴史、科学と文化
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
アクティブラーニング設備(ネット環境は必須)を使い,パソコンは持ち込み、5人で1つのテーブルを囲む。はじめの15分で担当教員がテーマを述べ,5分程質疑応答ののちに20分のグループ討論をおこなう。次の20分でそれぞれのテーブルでのまとめを代表にプレゼンさせ、質疑応答。残りの時間で各自レジュメをA41枚にまとめる。かなりの負荷をかけて徹底的に考えさせる。
それらを、エッセイにまとめて最後に提出させる。
1クラスの聴講者は20名以内を目途とする。従って、場合によっては抽選により履修者を選択する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 科学と母国語(1) | 討論 |
第2回 | 科学と母国語(2) | 討論のまとめを文章化 |
第3回 | 科学と歴史(1) | 討論 |
第4回 | 科学と歴史(2) | 討論のまとめを文章化 |
無し。
「英語化は愚民化」 施光恒著(集英社)、E.H. カー著「歴史とは何か」(岩波)
講義出席(50%)と課題提出(50%)による
無し。
ahosoya.bongo[at]gmail.com、 cc; iidpinfo[at]jim.titech.ac.jp
(氏名・所属を記して連絡のこと)
メールでアポをとること