この授業の履修者は例年行われている東京工業大学での英語スピーチコンテストに参加します。スピーチコンテストは第二クォーターの五週目に行われます。
この講義のねらいは、(1)口頭表現とパブリックスピーチについての基本的な知識を身につけること、(2)スピーチや口頭表現の技術を磨くこと、(3)スピーチの原稿執筆と口頭練習を通して、自らのプレゼンテーションの内容を批判的に分析する力を養うこと、です。履修者には個別に口頭表現の指導が行われます。
学生の到達目標は以下の四点です。(1)自分が決めたテーマについて、書き直しのプロセス(少なくとも三回書き直す)を通して、スピーチ原稿を完成させること。(2)スピーチを録画したもの(少なくとも二回行う)をみて、自らの改善すべき点に気づき、英語でのプレゼンテーションの技術を向上させること。(3)教科書や授業での講義をとおして提供される知識や言い回しを使って、英語口頭表現の技術を向上させること。(4)他の学生たちとの相互学習の能力。生産的なフィードバックを受けたり与えたりすることで、コミュニケーション能力を高めること。
スピーチ、プレゼンテーション、口頭表現、パブリック・スピーキング、英語
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
まずは教科書やビデオによって、プレゼンテーション技術についての知識を学びます。基本的な文法事項も確認します。次にスピーチコンテストのための準備をします。スピーチの内容についてのブレインストーミングをおこない、アウトラインを決めたうえで、スピーチ原稿を書き、繰り返し原稿の推敲を行います。さらに原稿をもとにプレゼンテーションの練習をします。担当教員と他の履修者から詳細なフィードバックを受けます。この成果をスピーチコンテストで発表します。最後にスピーチコンテストでの反省点を話し合います。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | スピーチコンテストについての説明(その目的や特徴について)。過去のスピーチコンテストのビデオを見て分析する。ブレインストーミンク。スピーチのテーマに ついての話し合い。 | スピーチコンテストへのオリエンテーション、スピーチコンテストに参加するメリット、効果的なスピーチとは何か分析する。次回に扱う章の予習。 |
第2回 | 教科書1章を扱う。ビデオを見て、提示される例を分析。口頭表現練習。 | スピーチの始まりと終わりに使うフレースを学ぶ。口頭表現の論述でつなぎに使う言葉を学ぶ。次回に扱う章の予習。 |
第3回 | スピーチコンテストの目的や特徴について(まとめ)。教科書2章を扱う。ビデオを見て、提示される例を分析。口頭表現練習。 | スピーチの組み立て方。口頭表現練習。次回に扱う章の 予習。 |
第4回 | 教科書9章を扱う。ビデオを見て、提示される例を分析。口頭表現練習。 | 語りの叙述の効果や時制の使い方を学ぶ。スピーチで効果的に使える例の見つけ方やよいスピーチの見分け方を学ぶ。次回に扱う章の予習。スピーチ原稿(第一稿) を書く。次回に扱う章の予習。 |
第5回 | スピーチ原稿(第一稿)を提出。スピーチのテーマについての話し合い。教科書7章を扱う。ビデオを見て、提示される例を分析。口頭表現練習。 | 聴衆と信頼関係を作り、共感するためのテクニックを学ぶ。話題に沿って資料を収集。次回に扱う章の予習。 |
第6回 | プレゼンテーションの論点とそれに基づく議論の展開をきめる。教科書8章を扱 う。ビデオを見て、提示される例を分析。口頭表現練習。 | 反復や修辞的疑問文の用い方、アイデアのまとめ方や誇張法などについて学ぶ。スピーチ原稿(第二稿)を書く。 |
第7回 | スピーチ原稿(第二稿)を提出。読み合わせを行い、推敲について話し合う。 | 他の履修者の原稿を読み、スピーチの構造や内容についてフィードバックを行う方法を学ぶ。質疑応答の口頭練習。 |
第8回 | 発表 | スピーチについてのフィードバックを受ける。効果的な間の置き方、強調の仕方、口調の用い方を学ぶ。 |
Mark Powell, Dynamic Presentations (Cambridge University Press, 2011)
過去に行われたスピーチコンテストの映像資料
授業参加:30%、第一稿の提出:10%、第二稿の提出:20%、学期末試験:40%
中上級程度の英語力
第一・第二クオーター連続での授業編成となっています。「英語スピーチ演習14(LAE.E472)」と共に履修するようにしてください。
この授業の履修を計画している学生は必ず初回の授業に出席ください。