2024年度 科学技術と能力増強(エンハンスメント)の倫理   Ethics of Science and Technology and Human Enhancement

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
文系教養科目
担当教員名
髙木 裕貴 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
-
クラス
-
科目コード
LAH.A536
単位数
1
開講年度
2024年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2024年3月15日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

本講義では、科学技術を人間の能力増強に使用すること、すなわち「エンハンスメント」を倫理学的観点から検討する。従来、科学技術の進歩は人間の生活を豊かにすると素朴に考えられてきた。しかし、科学技術を使用して人間の身体に直接介入し、人間の様々な能力を一時的・持続的に増強させるという、「エンハンスメント技術」は、人間を不安にさせる。エンハンスメント技術は、人間の在り方、人間本性を一変し、一見すると人間を幸せにするが、他方で倫理的に重要なものを失わせてしまうのではないか、と危惧されるのである。本講義では、美容整形、ドーピングといった古典的なトピックから、遺伝子操作やBMI(Brain-Machine-Interface)といった比較的新しいトピックまでを扱い、その是非を検討する。
本講義の狙いは、科学技術が人間そのものを直接増強することによって人間、あるいは人間の倫理に対して与える影響を倫理学定観点から批判的に検討できるようになることにある。倫理という、人間生活の背後にあってそれを支えているもののあるべき姿を自ら考える楽しさを味わい、さらはそれを他人に説得的な仕方で説明する術を身に付けて欲しい。

到達目標

(1)様々なエンハンスメント技術について説明できる。
(2)様々なエンハンスメント技術を様々な倫理学的観点から説明できる。
(3)エンハンスメント技術の是非について、倫理学的観点から自分自身の意見をもち、他人にそれを説明できる。

キーワード

エンハンスメント(能力増強)、倫理、科学技術

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

パワーポイントスライドを使用する予定である。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション 倫理と倫理学の違いを説明できるようになる。
第2回 身体的エンハンスメント 身体的エンハンスメントをめぐる倫理的争点を説明できるようになる。
第3回 ムードエンハンスメント ムードエンハンスメントをめぐる倫理的争点を説明できるようになる。
第4回 認知的エンハンスメント 認知的エンハンスメントをめぐる倫理的争点を説明できるようになる。
第5回 道徳エンハンスメント 道徳エンハンスメントをめぐる倫理的争点を説明できるようになる。
第6回 エンハンスメントのその他の争点 エンハンスメントをめぐる他の争点を説明できるようになる。
第7回 総論 エンハンスメントについて倫理学的観点から自分自身の意見をもち、それを他人に説明できるようになる。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。これらは講義内において提示される文献を使用して行うこと。

教科書

なし

参考書、講義資料等

講義内にて示す。

成績評価の基準及び方法

小レポート(35%)・期末レポート(65%)

関連する科目

  • 特になし

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

その他

この科目は、修士課程500番台の文系教養科目です。
東工大では、学士から博士後期課程まで継続的に教養科目を履修する「くさび型教育」を実践しています。番台順に履修することが推奨されており、修士課程入学直後の学期(4月入学者であれば1・2Q、9月入学者であれば3・4Q)に履修申告できる文系教養科目は400番台のみです。500番台文系教養科目は、入学半年してから(4月入学者であれば入学した年の3・4Qから、9月入学者であれば入学した翌年の1・2Qから)履修可能となります。

このページのトップへ