2024年度 文理共創科目:多摩川から考える — 都市環境の未来へ[2]   Collaboration across STEM and Liberal Arts:Towards the Future of Urban Environments: Thoughts from the Tamagawa[2]

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開講元
文系教養科目
担当教員名
木内 久美子  中島 岳志 
授業形態
講義 / 演習    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月7-10  
クラス
-
科目コード
LAH.C640
単位数
2
開講年度
2024年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2024年3月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

文理共創科目は2024年度から新たにスタートした研究会型の科目です。毎回、各分野の第一線で活躍するゲストを招き、レクチャーののち、履修生と共にディスカッションを行います。一方的な講義ではなく、研究会形式とすることで、参加する博士課程の大学院生と共にコンバージェンス・サイエンスの新たな展開と可能性を模索します。
 制限人数は一クラス50名で、超過した場合は授業開始前に抽選を行います。
グループワークは原則英語で行いますが、グループ内のコンセンサスをとっていただければ、日本語使用も可とします。司会進行・講師のレクチャーについては日本語で行い、ZOOMの翻訳機能を使用します。
第1回の授業内で研究倫理についてのe-learningを受講していただきます。証明書の提出を必須とします。

_________

近年、「人新世」という言葉がよく使われる。現代人の活動が、太古の小惑星衝突や火山大噴火に匹敵する地質学レベルの変化をたらしているというのだ。人間の過剰な力の行使が自然を破壊し、気候変動など地球環境に甚大な影響を及ぼしている。その反省が、新造語の背景にはある。
 多摩川は、山梨県・東京都・神奈川県を流れて東京湾へ注ぐ一級河川で、全長138kmに及ぶ。2019年10月には、台風19号による記録的な大雨により多摩川が増水し、川崎市、世田谷区、大田区で越水・内水氾濫が発生した。
本講義では、「人新世」というグローバルな地球環境問題を、多摩川という具体的な場をテーマとすることで考える。これからの都市に必要なヴィジョンと政策を構想し、自然との関係のありかたを考察する。また、河川および河川敷という「コモン」の利用法を考える。

到達目標

本講義を通して、以下の能力を習得すること。①河川をめぐる都市の環境問題の基礎知識を身に付けること。②現代の諸課題について再考し、議論を深め、主体的かつ具体的に問題解決に取り組めるようになること。

キーワード

人新世、気候変動、都市環境、河川、土中環境、雨庭、コモン

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業はZOOMで行う。7・8限はゲスト講演と質疑、9・10限がグループワークとする。第2回~第6回はゲストの方にお越しいただき、多摩川を具体的な対象としながら、現代の諸課題について多面的に議論する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 (4月8日)ガイダンス(中島・木内)+研究倫理(オンディマンド) 本科目のねらいを理解し、課題を共有する。研究倫理について基礎的な知識を習得する。
第2回 (4月15日)土肥真人(環境社会理工学院)×吉田祐記(エコデモ財団事務局) 「多摩川とエコロジカル・デモクラシー」 多摩川での具体的な取り組みを通じて、エコロジカル・デモクラシーの概要を理解する。
第3回 (4月22日)大森文彦(環境社会理工学院)×三木裕子(東京都市大学) 「多摩川とコモン」 多摩川河川敷と市民活動の関係を考察し、コモンのあり方を考察する。
第4回 (5月2日)神田学(環境社会理工学院・副学長) 「都市気象学と多摩川」 *この日は木曜日が月曜授業 多摩川を具体例として、都市気象学の知見を理解する。
第5回 (5月13日)…高田宏臣(造園家) 「多摩川をめぐる土中環境-等々力渓谷を事例に」 多摩川支流の矢沢川下流の等々力渓谷修復を例に、環境土木の観点から都市における土中環境を考える。
第6回 (5月20日)小倉紀雄(東京農工大名誉教授)「鮎と鵜飼の文化からみる多摩川の水文化(仮)」 多摩川の水文化について理解する。
第7回 全体のまとめ(中島・木内) 全体を総括し、これからの課題を議論する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし

参考書、講義資料等

参考書は適宜紹介します。

ランドルフ・T・へスター『エコロジカル・デモクラシー:まちづくりと生態的多様性をつなぐデザイン』鹿島出版会
小倉紀雄 , 風間 真理 , 小泉 正行 『東京湾: 生きものと共にみる長期的なうつりかわり』地人書館
高田宏臣『土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技』建築資料研究社
武田史朗『自然と対話する都市へ: オランダの河川改修に学ぶ』昭和堂
Randolph Hester. Design for Ecological Democracy (MIT Press)
Mohsen Mostafavi(ed), Gareth Doherty(ed), Harvard Univ Graduate Sch of Design(ed) Ecological Urbanism (Lars Mueller)
Richard T. T. Forman. Urban Ecology: Science of Cities (Cambridge UP)

成績評価の基準及び方法

授業中のコメント30%、レポート70%

関連する科目

  • LAH.S203 : 政治学B

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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