本講義はメディアに関する心理学の中でも,日常生活の中で我々がメディアを用いていかにやり取りしているかを質的方法により明らかにする領域を扱う。
ここでいう質的方法とは研究者が自ら現場に向かい,コミュニティに参加してメンバーの一員としてやり取りし,体験を通じて実践の特徴を明らかにする方法であり,心理学では1990年代よりその方法を用いた研究が増えてきた。それらの研究はまずはワークプレイスの研究として始まったが,2000年代になってからより身近なファンコミュニティの研究も行われるようになってきた。
本講義では,具体的事例を通じて,日常的実践やコミュニティの特徴について理解を深めていく。
メディアを介した日常的実践に対して,対象に限らず,説明し分析するための実践的方法を習得することを目標とする。
メディア,心理学,質的方法,実践
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義とグループディスカッションを織り交ぜながら進めていく。毎回こちらから題材を提供し,それについて検討する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オリエンテーション | |
第2回 | ワークプレイスの特徴 | 事例をもとに仕事場の実践の特徴について理解する |
第3回 | ファンコミュニティの特徴 | 事例をもとにファンコミュニティの特徴について理解する |
第4回 | ライブパフォーマンスの特徴1 | ライブパフォーマンスを中心にアイドル文化の特徴について議論する |
第5回 | ライブパフォーマンスの特徴2 | ライブパフォーマンスを中心にアイドル文化の特徴について議論する |
第6回 | 現場におけるファンの実践 | アイドルヲタクの実践とコミュニティの特徴について議論する |
第7回 | 事例検討 | 特定のグループに注目し,その特徴を議論する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
使用しない
講義スライドを毎回授業後,T2scholaにアップする
小レポート(60%),最終レポート(40%)。ただし授業の進行状況(小レポート実施回数等)に応じて変更あり。
特になし
この科目は、修士課程500番台の文系教養科目です。
東工大では、学士から博士後期課程まで継続的に教養科目を履修する「くさび型教育」を実践しています。番台順に履修することが推奨されており、修士課程入学直後の学期(4月入学者であれば1・2Q、9月入学者であれば3・4Q)に履修申告できる文系教養科目は400番台のみです。500番台文系教養科目は、入学半年してから(4月入学者であれば入学した年の3・4Qから、9月入学者であれば入学した翌年の1・2Qから)履修可能となります。