本講義では、国際関係を捉える基本的な理論枠組であるリアリズム、リベラリズム、コンストラクティビズムについて考察していく。そしてそれらを具体的な事象に援用し、理論の射程と限界を明らかにすることで、国際関係の構造と多元性を炙り出そうとする。
そのねらいは、第一に、複雑な国際関係を理解するための相対的な視点を養うことにあり、第二には、理論と実際の反復作業をつうじて、応用範囲の広い問題解決型の思考を形成することにある。
本講義を履修することで次の能力を修得する。 1)主要な国際関係理論を理解する。 2)複数の理論の特徴を理解し、その違いを記述する。 3)国際関係理論の歴史的な発展過程を理解する。
リアリズム、リベラリズム、コンストラクティビズム
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式で行うが、受講者との双方向的なやり取りも重視する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス | 現代の国際政治を理解するために理論を学ぶ意義を理解する。 |
第2回 | 社会科学のなかの国際関係論 | 「科学」としての国際関係論の目的を理解する。 |
第3回 | 理論と方法の射程 | 国際関係理論の説明範囲と実証の方法を理解する。 |
第4回 | リアリズム―自然状態とアナーキー、クラシカルリアリズム | リアリズムの思想的基盤と初期のリアリズムの特徴を理解する。 |
第5回 | リアリズム―ネオリアリズム | 合理的アクターたる国家が織りなす国際政治力学を理解する。 |
第6回 | リアリズム―ネオクラシカルリアリズム、リアリスト・コンストラクティビズム | 国際政治と国内政治の再接近を理論的に理解する。 |
第7回 | リベラリズム―自然調和 | リベラリズムの思想的基盤を理解する。 |
第8回 | リベラリズム―相互依存とレジーム | リベラリズム躍進の原因を70年代以降の国際関係の諸相の中に見出す。 |
第9回 | リベラリズム―制度とネオ・リベラリズム | 「原因」としての制度とはなにか。ゲーム理論の援用とともに理解する。 |
第10回 | コンストラクティビズム―合理主義の陥穽 | 主要理論はなぜ冷戦の終結を予見できなかったか。その陥穽を理解する。 |
第11回 | コンストラクティビズム―間主観性、規範、適切性の論理 | 国際関係を規定する非物質的な要因とはなにか。理論の新展開を捉える。 |
第12回 | 構造主義―国際システムの階層性 | 米国が構築する階層的な国際システムの特質を理解する。 |
第13回 | 応用―対外政策決定論 | 事例(キューバ危機)を用い、国家の対外政策決定過程を理解する。 |
第14回 | 期末試験 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,授業内容に関する予習と復習(課題含む)を行うこと。
特になし。毎回レジュメを配布する。
・川名晋史『在日米軍基地ー米軍と国連軍、「2つの顔」の80年史』(中公新書、2024年)
リアクションペーパー(20%)、期末試験(80%)
なし
shinji.kawana[at]ila.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。