2024年度 国際文化論:アジア・アフリカ   Intercultural Studies: Asia and Africa

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開講元
文系教養科目
担当教員名
三ツ堀 広一郎  崔 盛旭  辻上 奈美江  佐治 奈通子  戸田 美佳子  栗田 和宏  上村 未来  馮 青 
授業形態
講義    (ブレンド型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(M-374(H131))  金5-6(M-374(H131))  
クラス
-
科目コード
LAH.H209
単位数
2
開講年度
2024年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2024年3月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 グローバル化の時代にあって忘れられがちな国際社会の諸相に案内する。具体的には中国、韓国、カンボジア、インド、トルコ、サウジアラビア、中部アフリカの7カ国(7地域)に焦点をあわせながら、各国文化の民族性、歴史、伝統、社会などを概観する。各地域の専門研究に従事する7人の講師が、それぞれ独自の切り口から、オムニバス形式でこの7地域をあつかう。
 本講義のねらいは、異文化理解の促進と国際意識の醸成である。一連の講義を通じて得た知識は、履修者が将来、多様な文化的出自の持ち主たちが集まるグローバルな環境で生きることになったときに、かならずや力になるだろう。

 各回の概要

 4月9日(火)、16日(火) トルコ  佐治 奈通子
 トルコはアジアとヨーロッパにまたがり、東西の歴史と文化が交わる非常に興味深い国です。よく親日国であると言われ、日本人にも人気の観光地のひとつですが、その一方で、近年、シリア難民問題など国際社会から挙動が注目される国でもあります。本講義では、まずトルコの持つ多層的な歴史と文化に触れ、その後、現代の国際社会におけるトルコの立ち位置について考えます。

 4月12日(金)、19日(金) サウジアラビア  辻上 奈美江
 サウジアラビアは、世界最大級の原油埋蔵量を誇る国であると同時に、メッカとメディナというイスラームの二大聖地を擁する国、あるいは沙漠が広がる土地としても知られています。本講義では、第1回目はサウジアラビアの歴史を概観します。沙漠での遊牧生活から、近代国家へと変容した国家形成の過程を学びます。第2回目は、同国の女性の消費と起業に着目し、ジェンダーの視点から同国の社会と経済について考えます。

 4月23日(火)、30日(火) カンボジア  上村 未来
 近年、カンボジアは観光やボランティアの対象として日本人から人気が高まっており、カンボジアの学校などへの支援を行う学生団体が活発に活動しています。一般的にカンボジアはいわゆる「貧困国」として認識され、また1970年代には国内で大虐殺が起こり、内戦の影響がいまでも残っている側面があるため、ボランティアや支援の対象国となりやすいのです。現在は世界的にもSDGsの認知が高まり、SDGs関連の事業が「良いこと」とされる一方、善意のボランティア活動がもたらす弊害について知る機会は少ないです。カンボジアの回の講義では、カンボジアにおける国際協力NGOの活動について、その背景となる歴史や政治、文化、現在の社会が抱える問題に触れ、映像や写真などを交えて紹介しつつ、ボランティア活動の課題についても考えていきたいと思います。

 4月26日(金)、5月10日(金) サブサハラ・アフリカ  戸田 美佳子
 私たちは、テレビや映画、音楽などのメディアをとおして、アフリカに暮らす人びとの文化や習慣にふれてきました。メディアは時として、私たちとは異なる文化を奇怪なものとしておもしろおかしく描き、差別や偏見を生みだす装置ともなります。人は見慣れないものを見たときに驚き戸惑うものですが、一見風変わりに見える習慣や生活の背後には、合理的な文化のルールがあるかもしれません。本講義ではまず、サブサハラ・アフリカの多様な民族、言語、生態環境を解説します。二回目の講義では、講師による中部アフリカ熱帯雨林のフィールドワークを紹介します。グローバル〇〇的な言説が世界規模で展開する現代だからこそ、ローカルな視点から物事を考えるおもしろさをアフリカ地域研究から感じ取ってもらいたいと思います。

 5月7日(火)、14日(火) インド  栗田 知宏
 インドは2023年に人口が14億人を超え、中国を抜いて世界一となりました。その存在感は経済や外交の面でもますます高まっており、“カレー”などの料理や娯楽映画、IT産業などは日本でも広く知られています。本講義の第1回では、多言語・多宗教・多民族国家であるインドの文化的多様性について押さえた上で、世界に広がり影響力を増しているインド系移民に焦点を当てます。第2回では、イギリスや北米などのインド系アーティストによるポピュラー音楽の実践について、楽曲を紹介しながらお話しします。

 5月17日(金)、24日(金) 「医食同源」――中華料理と中国医学との関係   馮 青
 中華人民共和国の建国の父である毛沢東は、建国初期の1950年代に次のように言っています。「中国が世界に最も貢献しているものが二つある。それは中華料理と中国医学・漢方薬だ」。時代の移り変わりを経てポストコロナ時代に入った今もなお、この言葉があてはまるといえるでしょう。ここで、今こそ真剣に食事と健康について考えてみませんか。この講義では、日中文化交流の歴史を踏まえて、中国の食文化と伝統医学を取り上げます。具体的には、1)中華料理はなぜ世界の人々に愛されているのか、2)中国の食文化の伝統と現在、3)日本の食文化の中国への輸出、4)中国の食思想「医食同源」と伝統医学との関連、5)中国医学とはなにか、6)日本の漢方と中国伝統医学との関係、についてお話しします。

 5月21日(火)、28日(火) 大衆文化から見える「韓国」  崔 盛旭
 日本と韓国は、時の政治に翻弄されその距離を縮めたり離したりを繰り返しながら、隣国同士の関係を築いてきた。近年、日本での関心が高まっている韓国大衆文化だが、韓国は日本から多大な影響を受けると同時に、日本とは大きく異なる表情をたくさん持っている。この講義では、映画やドラマ、歌謡曲といった韓国大衆文化を紹介し、韓国という国を理解するための第一歩を目指す。

到達目標

本講義を履修することによって以下の能力を修得する。
1)あらゆる文化が等しく人間的で、なおかつそれぞれ独自の特徴をもつことが理解できる。
2)国際的視野から自国文化について考えられる。
3)国際社会の諸問題を多角的にとらえられる。

キーワード

国際意識醸成、地域文化論、国際社会、アジア、アフリカ、中国、韓国、カンボジア、インド、トルコ、サウジアラビア、中部アフリカ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業ガイダンスのあと、7人の講師がオムニバス形式で講義を実施する。履修者は毎回コメントシートを提出する。第1回と第3回の授業は講師の事情によりライブ型にて実施するが、質問は随時受け付ける。必要に応じてT2SCHOLAで情報を共有したり、2回目以降の対面時にも対応する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 トルコの文化(佐治奈通子) 授業内で指示する。
第2回 サウジアラビアの文化(辻上奈美江) 授業内で指示する。
第3回 トルコの社会(佐治奈通子) 授業内で指示する。
第4回 サウジアラビアの社会(辻上奈美江) 授業内で指示する。
第5回 カンボジアの文化(上村未来) 授業内で指示する。
第6回 中部アフリカの文化(戸田美佳子) 授業内で指示する。
第7回 カンボジアの社会(上村未来) 授業内で指示する。
第8回 インドの文化(栗田知宏) 授業内で指示する。
第9回 中部アフリカの社会(戸田美佳子) 授業内で指示する。
第10回 インドの社会(栗田知宏) 授業内で指示する。
第11回 中国の文化(馮 青) 授業内で指示する。
第12回 韓国の文化(崔盛旭) 授業内で指示する。
第13回 中国の社会(馮 青) 授業内で指示する。
第14回 韓国の社会(崔盛旭) 授業内で指示する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし

参考書、講義資料等

PPT等のスライド資料を用いるほか、テキスト資料をT2SCHOLAで配布する。

成績評価の基準及び方法

次の二つの条件を満たした履修者のみ成績評価の対象となる。
1)原則として講義に毎回出席し、出席カード&コメントシートを提出すること(40%)。
2)第1Q末に講義内容を踏まえたレポート課題を提出すること(題目・分量・締切についてはT2SCHOLAで指示。60%)。

関連する科目

  • LAH.H210 : 国際文化論:ヨーロッパ・ラテンアメリカ
  • LAH.H110 : 外国語への招待1
  • LAH.H111 : 外国語への招待2
  • LAH.H211 : 世界文学1
  • LAH.H212 : 世界文学2

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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