推測統計学とは,得られたサンプルから母集団の特徴を捉えようとする領域であり,社会調査データやビッグデータを適切に扱うためには,必要不可欠である.本講義では,社会科学のトピックを題材として,推測統計学を学ぶ.特に,社会的不平等に焦点を当てる.
本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1) 検定・推定の考え方と分析の方法
2) 社会における事象を統計モデルとして捉える方法
記述統計,推測統計,確率分布,標本抽出,推定,仮説検定,回帰分析
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
参考書やテキストに従い,統計学・統計分析の基礎を講義する.毎回の授業に小課題を課す.また,期末にテストを課す.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクションと記述統計学:代表値,散らばり | 記述統計,および検定・推定の重要性を理解する. |
第2回 | 不平等を記述する:ジニ係数 | 不平等を捉える方法を理解する |
第3回 | 親子の学歴・職業の結びつき:移動表 | 親子間の格差の維持を捉える方法を理解する. |
第4回 | 支持率に一喜一憂する:標準誤差と無作為抽出 | 標準誤差と無作為抽出の関係を理解する. |
第5回 | コイントスで行動を表す:離散変数と二項分布 | 二項分布と確率モデルの構築方法を理解する. |
第6回 | 標本平均をモデル化する:連続変数と正規分布 | 正規分布と中心極限定理を理解する. |
第7回 | 支持率を(統計的に)読む:点推定と区間推定 | 推定のロジックを理解する. |
第8回 | 推定値の妥当性:ランダムサンプリングと不偏性 | 不偏性を理解する. |
第9回 | 仮説を確かめる:統計的検定のロジック | 統計的検定のロジックを理解する. |
第10回 | 社会は「下流化」したか:平均の差の検定 | 平均値の差を検定する方法を理解する. |
第11回 | 親子の学歴・職業の結びつき2:カイ二乗検定 | クロス表に対するカイ二乗検定を理解する. |
第12回 | 世界の家事事情:分散分析 | 分散分析を理解する. |
第13回 | 年齢と年収の関係:相関係数の検定とt検定 | 相関係数とt検定を理解する. |
第14回 | 年齢と年収の関係2:回帰分析 | 回帰分析を理解する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
授業で指示する.
授業で指示する.
毎回の授業における小課題30%,期末レポート70%で評価する.
特になし.
kkezuka[at]ila.titech.ac.jp