2024年度 技術史A   History of Technology A

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開講元
文系教養科目
担当教員名
河村 豊 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
-
クラス
-
科目コード
LAH.T103
単位数
1
開講年度
2024年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2024年3月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 現代技術の特徴を知る手段として,近代技術までを中心とした歴史的事例および歴史分析の方法論について理解することを目標とする.
 歴史的事例については,技術の定義を踏まえて最古の技術として石器を紹介し,その後は古代社会における技術,中世社会における技術,近代社会における技術を取り上げる.特に,近代社会における技術としては,イギリス産業革命における機械技術の登場およびその意義を考える.
 歴史分析の方法論については,前提となる「技術の定義」に関連して,技術(technology)-工学(engineering)-科学(science)の区別と関連性,技術の場合は製品技術と製造技術の区別,工学の場合は設計や研究開発の歴史的変化,科学の場合は目的基礎研究と学術研究の区別などにも触れる.その上で,歴史分析に不可欠な「後知恵の誤謬」や,「正当化への圧力」などを紹介した上で,「時代区分」という作業に伴う歴史解釈の意味を取り上げる.

到達目標

 技術史の基礎となる,(1)技術の定義を議論できる基礎的知識を身につけること,(2)技術発展の契機がどこにあるかを分析できる基礎的知識を身につけること,(3)技術と社会との関係性を分析できる基礎的知識をみにつけること.
 こうした技術史の基礎を踏まえ,(4)現代社会における技術の諸問題をどのように分析したらよいかの基礎知識を獲得する.

キーワード

技術の定義,最古の技術,技術と社会,技術と産業革命

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の講義では,(1)毎回の主題に関連した「小課題」を提示したうえで講義を行う.また,(2)「クイズ」も出題する.講義終了時には,その「小課題」について50字程度の文章と「クイズ」の解答を提出してもらう.配点あり.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 A1.技術の概念区分と技術史の方法 - 技術とはなにか? 最古の技術,技術史の方法 技術の定義を踏まえて,最古の技術を見つける.
第2回 A2.古代文明と灌漑技術 - 技術が与える社会への影響(1):灌漑技術と古代文明制度 古代文明成立と灌漑技術の関連性を見つける.
第3回 A3.古代社会における鉄器技術 - 技術が与える社会への影響(2):資源問題を解決した製鉄技術 鉄器登場の技術史上の意義は何かを見つける.
第4回 A4.中世西欧世界と農業技術 - 技術が与える社会への影響(3):「ヨーロッパ優位の時代」の起源 中世西欧の生産力拡大をもたらした農業技術を見つける.
第5回 A5.近代西欧社会のわざと手段の関係 - 産業革命と技術(1):「機械」登場以前の生産力拡大とその限界 マニュファクチュア(工場制手工業)を支えた技術とは何かを見つける.
第6回 A6.近代西欧社会の道具と機械の区分 - 産業革命と技術(2):綿紡績技術における道具の限界と機械の意味を理解する 道具と機械の区別は何かを見つける.
第7回 A7.発達した機械の三要素と産業革命の技術的基礎 - 産業革命と技術(3):紡績機械,動力機(水車・蒸気機関),工作機械の役割を理解する  産業革命における機械の発展はどのようなものかを見つける.
第8回 期末試験 期末試験

授業時間外学修(予習・復習等)

毎回の講義中に「小課題」と「クイズ」を出題する.終了時に回収するが,原則として返却しない.したがって,(1)受講生は回収時にスマフォで撮影・複写し,(2)次回の講義で解答例を示すので,確認すること.

教科書

特になし

参考書、講義資料等

河村豊,小長谷大介,山崎文徳他『未来を考えるための科学史・技術史入門』北樹出版 (2023/5/1),256ページ

成績評価の基準及び方法

講義中の課題提出(3割),試験(7割).課題提出とは毎回の講義で提出してもらう「小課題」と「クイズ」.試験とは,講義終了後(試験期間)に行う対面型式の試験のこと.試験についての詳細は授業中に説明します.

関連する科目

  • LAH.T203 : 技術史B
  • LAH.T303 : 技術史C
  • LAH.S416 : 文系エッセンス16:技術史

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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