2024年度 教養特論:現代社会の課題とコミュニケーション   Special Lecture : Social Issues and Communication

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開講元
文系教養科目
担当教員名
久地楽 雅也 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
-
クラス
-
科目コード
LAH.S108
単位数
1
開講年度
2024年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2024年3月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

【概要】
東工大の出身で民間企業の株式会社博報堂(注)の現役社員による、実践的な授業。
最終成果物は、一人ひとりが社会課題と課題解決をシンプルに示す「自主提案レポート」。
私たち一人ひとりの日常生活には、社会の様々な根本課題が潜んでいる。これをアイデア発想で解決している事例と方法論を取り上げ、他者発ではなく自分発で人間社会に貢献する体質を学んでもらう。当授業では、通俗的な感想や持論を開陳しただけの<答案>は求めていない。自分が主体的に関与して生活者・社会を動かす、独創的な<提案>を目指す。
【狙い】
講師は、多様な学生どうしのコミュニケーションの場を設けて、『対話力』の向上を支援。その上で、現代社会の課題に取組む『3つの力』(後述)について、実践的に指導する。これら『対話力』と『3つの力』は、東工大生の日常生活に発見をもたらし、創造力を発揮する土台になる。

注)

株式会社博報堂は、1895年創業。企業フィロソフィーは、生活者発想。
https://www.hakuhodo.co.jp/

博報堂DYグループは419の子会社および関連会社で構成され、合計25,522人を超える従業員が世界29以上の国と地域で働いています(2022年3月現在)。グループ全体の収益は、8,950億8,000万円(2022年3月期)となり、米国Ad Age誌の「World’s 25 Largest Agency Companies」では世界トップ9と発表されています。日本国内では2位にランキングされているエージェンシーグループです。
https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/

到達目標

【自問自答の創造力】
『他問自答』すなわち「予めの正答がある受動的な『答案』」ではなく、『自問自答』すなわち「予めの正答がない能動的な『提案』」を持ち寄って対話をし、互いに『創造力』を高め合うこと。
【社会を創造する3つの力】
3つの力とは、(1)自問を立てる力 (2)構想を描く力 (3)自答で動かす力 のこと。
これらの力を鍛え、独創的なアイデア発想で社会を創造する、シンプルな提案ができるようになること。

実務経験のある教員等による授業科目等

該当する 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容)
●統括講師の実務経験:
①博報堂 マーケティング部門/プランナー等(1987~2012年)
②博報堂 人材開発戦略室/マネージャー等(2013~2018年) 
③博報堂 生活者アカデミー/プロデューサー(2015~2019年) 
④博報堂 ブランド・イノベーションデザイン局/ディレクター(2020年~)
●統括講師の実践的教育内容:
上記実務の傍ら、以下の大学で発想教育のアクティブ・ラーニング型授業の講師を兼任。
①東京工業大学リベラルアーツ研究教育院「現代社会の課題とコミュニケーション」(非常勤 2019年~現在)
②明治学院大学文学部芸術学科「メディア産業論/マスコミュニケーション論」(非常勤 2019~2023年)
③駿河台大学メディア情報学部「オンキャンパス・インターンシップ/広告の実際」(非常勤 2013~2022年)
④日本大学法学部「キャリア・デベロップメント」(非常勤 2010~2020年)

キーワード

イノベーション、アイデア発想、対話、社会課題、課題解決、コミュニケーション

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

当授業の実施形態は、ライブ対面型。
講師陣は、統括1名とゲスト2名を予定。講義・質疑応答と、グループワークによる学生同士の対話などで進める。
授業では、随時質問を受け付ける。また毎回Googleフォーム等でコメントシートの提出を課し、必要があればT2SCHOLAで解答を共有するなど、学修状況の確認を行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 最終成果「自主提案レポート」のオリエンテーション 当授業のゴールを理解する。 「自主提案レポート」とフィールドワーク「生活日記」の趣旨を理解し、「生活日記(第1回)」に取組む準備を整える。 指定された期日(授業5日後21時)までに、「生活日記(第1回)」を提出する。
第2回 3つの力(1) 自問を立てる力 日常生活から社会を見通す気づきや発見を得る、自問のやりかた学ぶ。 「自問」に関する講義と「生活日記」を素材にしたグループワークに積極参加し、「問い」を深めた「生活日記(第2回)」に取組む準備を整える。 指定された期日(授業5日後21時)までに、「生活日記(第2回)」を提出する。
第3回 3つの力(2) 構想を描く力 日常生活の気づきや発見から、社会課題を構想していくやりかたを学ぶ。 「構想力」に関する講義と「生活日記」を素材にしたグループワークに積極参加し、「問いと構想」を深めた「生活日記(第3回)」に取組む準備を整える。 指定された期日(授業5日後21時)までに、「生活日記(第3回)」を提出する。
第4回 3つの力(3) 自答で動かす力 課題解決の実際を学び、自分の提案に社会を動かすリアリティをもたせる。 「自答の力」に関する講義と「生活日記」とを素材にしたグループワークに積極参加し、「問いと構想と答え」を一貫させた「生活日記(第4回)」に取組む準備を整える。 指定された期日(授業5日後21時)までに、「生活日記(第4回)」を提出する。
第5回 3つの力を発揮する 3つの力で自主提案するやりかたを学ぶ。 提案の基本方向を決め、「自主提案レポート」を仕上げる準備を整える。 指定された期日(授業5日後21時)までに、「自主提案レポート」を提出する。
第6回 「自主提案レポート」の提出と共有 各自の「自主提案レポート」を発表して対話する。 自分と他者の「自主提案レポート」を比較参照し、自分の提案の可能性や問題点を洗い出す。 指定された期日(授業5日後21時)までに、自分の自主提案レポートに対する「自分レビュー」を提出する。
第7回 振り返りと展望 社会課題への取組みを総括する。 日常生活に潜む社会課題を、「自問自答」として人々に提案する意味と効果を理解し、新たな第一歩として「生活日記(第5回)」に取組む準備を整える。 指定された期日(授業5日後21時)までに、「生活日記(第5回)」を提出する。

授業時間外学修(予習・復習等)

初回授業の予習として、教科書を読了すること。1、2、3、4、7回目の後は「生活日記」を作成し提出。5回目の後は「自主提案レポート」、6回目の後は自分の自主提案レポートに対する「自分レビュー」を作成し提出する。全てそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。提出スケジュールは「授業計画」の「課題」を参照すること。

教科書

「アイデアのつくり方」ジェームス W.ヤング(CCCメディアハウス)
※初回授業が始まる前に、上記の教科書を入手し読了すること。
※初回授業以降は、自分の日常生活を教科書に見立てて読み込み、自問自答の資源にしていく。

参考書、講義資料等

特になし。
※必要に応じて、資料をT2SCHOLAにアップする。

成績評価の基準及び方法

1. 授業への参加度(50%)
2. 自主提案レポート(50%)・・・基礎点+加点

注)

●以下の3つを満たしている場合、原則として89点で評価する。
 ※授業への参加度の50点に加えて、自主提案レポートの基礎点にあたる39点で採点。

①全ての授業を、無遅刻・無早退・無欠席であること。
②授業での講義とグループワークで、話者に傾聴し対話へ積極参加していること。
③全ての提出物が、提出要件を正しく満たしていること。

●次に挙げる不可抗力の事情がある場合には、参加点に関する減点は行わない。

①大学から要請された自宅待機命令。あるいは、大学から承認された公休。
②公共交通機関の遅延(遅延証明書を提出すること)。
③その他に、講師が承認する履修を困難にする状況による授業への不参加。

●「提案レポート」の内容について、以下の水準をクリアしている場合、基礎点に加えて1点~11点の範囲で加点を行う。

①提案するテーマの実践・実現に関して、質的あるいは量的に効果的なリサーチや研究を、自分が中心になって具体的に遂行している。
②提案内容が示す5~10年後の目標に対して、現在から実現への道筋を描き、その第一歩を具体的に企画している、あるいは、今まで既に企画や計画を開始している。
③既成の情報/机上の空論/持論の開陳ではなく、自らの試行錯誤から得られる、独自の発見と発想に基づく提案になっている。

関連する科目

  • LAH.C101 : 東工大立志プロジェクト
  • LAH.H107 : コミュニケーション論A
  • LAH.H207 : コミュニケーション論B
  • LAH.C301 : 教養卒論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

授業の中では、グループでの初対面どうしの対話や、クラス全体の中で指名された発言などが求められる。この点を各自で納得した上で履修すること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

masaya.kujira[at]hakuhodo.co.jp

オフィスアワー

メールで事前予約をすること。

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