本授業は、環境や人間の諸問題を惑星的な視野から捉え、自他のために行動できる「地球市民意識」の基礎を養う。 具体的には、持続可能な社会を築くためのサステナビリティの原則や SDGs(持続可能な開発目標)、ディープエコロジー、古今東西の精神文化(マインドフルネス、仏教の般若心経や老師の Tao、修験道、アメリカ先住民の知恵、キリスト教の聖フラン チェスコ)、屋久島の自然、などのエッセンスを概観する。「私たちはより大きなものの一部」という点で、エコロジーとスピリチュアリティは共鳴する。
本講義のねらいは、科学と精神性を統合し、持続可能な未来づくりに貢献できる地球市民意識の醸成である。
この講義を履修した学生は以下の能力を修得する。
1) 持続可能な社会を築くためのサステナビリティの基本やSDGsの概要を理解する。
2) 人間中心の視点を超え、より深くて永い視点に立つディープエコロジーの考え方を学ぶ。
3) 万物の相互依存性を理解するために、仏教のマインドフルネスや般若心経、老師のタオ、アメリカ先住民の知恵などの基
本概念や世界観を理解する。
4) 自分の研究を持続可能な未来に役立てられるように地球市民意識を養う。By the end of this course, students will be able to:持続可能な開発、サステナビリティ、SDGs、地球市民、ディープエコロジー、スピリチュアリティ、マインドフルネス
持続可能な開発、サステナビリティ、SDGs、地球市民、ディープエコロジー、スピリチュアリティ、マインドフルネス、屋久島
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
参加体験型の授業。宿題や輪読で資料を読み、グループワークで話し合いながら学び合う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オリエンテーション。SDGsとサステナビリティの基本 | 復習とミニレポート、資料を読む |
第2回 | 深いエコロジー:ジョアンナ・メイシーのつながりを取り戻すワーク | 復習とミニレポート、資料を読む |
第3回 | 万物の相互依存:ティク・ナット・ハンのマインドフルネス | 復習とミニレポート、資料を読む |
第4回 | 般若心経:色即是空と空即是色。修験道の世界 | 復習とミニレポート、資料を読む |
第5回 | 北米先住民の大地に根ざした知恵:「知恵の三つ編み」輪読 | 復習とミニレポート、資料を読む |
第6回 | アッシジの聖フランチェスコの平和の祈り | 最終レポート準備 |
第7回 | 屋久島の自然。持続可能な未来に向けて | 総復習 |
学修効果を上げるため,配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特に指定しない
『みんなの楽しい修行』(中野民夫、春秋社、2014)、『学び合う場のつくり方』(中野民夫、岩波書店、2017)
積極的な授業への参加(グループワーク、宿題含む):70%、最終レポート:30%
幅広くて深い多様な精神文化への好奇心
お互いに少しホッとできて深くくつろげる時間にいたしましょう。
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この科目は、修士課程500番台の文系教養科目です。
東工大では、学士から博士後期課程まで継続的に教養科目を履修する「くさび型教育」を実践しています。番台順に履修することが推奨されており、修士課程入学直後の学期(4月入学者であれば1・2Q、9月入学者であれば3・4Q)に履修申告できる文系教養科目は400番台のみです。500番台文系教養科目は、入学半年してから(4月入学者であれば入学した年の3・4Qから、9月入学者であれば入学した翌年の1・2Qから)履修可能となります。