本講義は、大きく二つのパートから構成される。前半パートでは、ナショナリズムや国家に関する社会科学の研究を中心に学び、基本的な知識の獲得と理論への理解を深める。後半パートでは、ナショナリズムと関係する現代社会の課題を複数取り上げ、問題の所在について理解し、その解決策を考える。
本講義のねらいは、以下の2つである。第1は、ナショナリズムに関する社会科学的アプローチを理解し、それぞれの国家および多様な国家が存在する国際社会の成り立ちについて論じられるようになることである。第2は、ナショナリズムが現代社会の諸課題とどのように結びついているか理解し、それぞれの課題を考える上での視点を獲得することである。
本科目を履修することによって以下の3つの能力を修得する。
①ナショナリズムについての基本的知識を獲得する。
②民族、人種、言語といった要素とナショナリズムの結びつきについて説明できるようになる。
③内戦、グローバリズム、科学技術とナショナリズムの関係について説明でき、自らの考えを述べることができるようになる。
国家 民族 人種 グローバリズム 保護貿易 内戦 テクノナショナリズム
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式によって実施するが、毎回リアクションペーパーを配付して質問を受け付け、講義内でそれらの質問に対して回答する形で双方向のやり取りも実施する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス、導入-ナショナリズムと国家の起源 | 国家の成り立ちとナショナリズムの起源について理解する。 |
第2回 | ナショナリズムの類型 | 様々なタイプのナショナリズムについて理解し、違いを説明できるようになる。 |
第3回 | 民族・人種・言語 | 民族・人種・言語がナショナリズムの形成においてどのような影響を与えているか理解する。 |
第4回 | 自由貿易と保護主義/前半のまとめ | 自由貿易とナショナリズムの関係について理解する。 第1回~第3回の講義内容について改めて知識の定着を図る。 |
第5回 | 中間テスト/ナショナリズムと内戦 | 第1回~第4回の内容についてテストを実施する。 内戦とナショナリズムの関係について理解する。 |
第6回 | グローバリズムへの反発と社会の分断 | グローバリズムへの反発について理解し、現在問題となっている社会の分断について考える。 |
第7回 | 科学技術とナショナリズム | 科学技術の管理や伝播について、ナショナリズムの観点から説明できるようになる。 |
学修効果を上げるため,配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定しない。
毎回、講義資料を配付する。参考書についても講義内で提示する。
各回でのリアクションペーパー(20%) 、中間テスト(30%)、期末レポート(50%)
履修の条件は特に設けない。
fukazawa.k.ab[at]m.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。