2023年度 教養特論:アートとデザイン   Special Lecture: Art and Design

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開講元
文系教養科目
担当教員名
田中 みゆき 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(W9-714)  
クラス
-
科目コード
LAH.H217
単位数
1
開講年度
2023年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2023年4月19日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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media

講義の概要とねらい

アートとデザインは、本来異なる役割を持ちながらも、モノやサービスの概念の変化や私たちの生活スタイルや価値観の多様化、メディアやテクノロジーの発展に伴い、さらに境界が曖昧になっていると言えるだろう。
しかし、アートとデザインを区別し見分けることができるようになることがこの講義の目的ではない。そうではなく、複雑化するさまざまな社会問題に対してアートやデザインといった手法がどのように力を発揮できるのかを思索することこそが重要である。
この講義では、社会が抱える問題の影響を受けやすいマイノリティとされる人たちに目を向けながら、アートやデザインが交差する事例を通して、それらの境界を曖昧にしている要因と手法、効果の関係を考察したいと思う。良い/悪い、役に立つ/立たないなど、二項対立に収まらないさまざまな考え方に触れることで、アートやデザインの枠を超えて表現する/伝えるという行為を見つめ、生き方の多様性について共に考える機会になればと思う。
そのため、この授業では、教師が生徒に一方的に知識を提供するのではなく、それぞれの生徒が自分の多様な側面を見つめ、他の生徒の意見を聞き、互いに学び合うような場にしたいと考えている。

到達目標

 本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) アートとデザインそれぞれの概念を自分の言葉で説明できる。
2) 目的に応じたアートとデザインの使い分けができる。
3) 表現の批評的な見方を身につけることができる。
4) 意図を効果的に伝えるための表現手法を選択し、発表できる。

実務経験のある教員等による授業科目等

該当する 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容)
キュレーター/プロデューサー。21_21 DESIGN SIGHT、山口情報芸術センター[YCAM]、日本科学未来館で展覧会やパフォーマンスなどの企画に携わった後、「障害は世界を新しく捉え直す視点」をテーマに、展覧会やパフォーマンスなどカテゴリーにとらわれないプロジェクトを企画する。表現の見方や捉え方を障害当事者を含む鑑賞者とともに再考する。近年の仕事に「音で観るダンスのワークインプログレス」(KAAT神奈川芸術劇場、2017-2019年)、映画「ナイトクルージング(2019年公開)、「ルール?展」(21_21 DESIGN SIGHT、2021年)、展覧会「語りの複数性」(東京都渋谷公園通りギャラリー、2021年)、「視覚言語がつくる演劇のことば」(KAAT神奈川芸術劇場、2020年〜)、「オーディオゲームセンター」(2017年〜)など。2020年大阪・関西万博日本館基本構想策定クリエイター。UCLA、東京大学、秋田公立美術大学、Googleなど多様性や協働に関するカンファレンスに登壇。

キーワード

アート、デザイン、コミュニケーション

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回設定したテーマに関する事例を紹介し、それをもとにディスカッションを行う。生徒同士が互いから学び合う場として、それぞれが自分の意見を積極的に共有することが推奨される。また、授業の最後に簡単な課題を出す。普段から身の周りにあるアートやデザインの表現に注意を払い、それが何を伝えようとしているか考える習慣をつけること。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション マイノリティの視点からアート/デザインを見るとは何かについての紹介を通して自分のマイノリティ性について考える。
第2回 機能と装飾 アート/デザインが持つ機能と装飾の衝突と、それぞれの要素が増えることでどのような印象をもたらすかについて考える。
第3回 観察とコミュニケーション アート/デザインにおける観察のあり方と課題設定や発想を始めるプロセスを理解する。
第4回 他者と関係を結ぶ方法 アート/デザインによる観客やユーザーとの多様な関係の結び方を知る。
第5回 メディアの力 アート/デザインにおけるメディアの概念やテクノロジーを取り入れた表現に触れる。
第6回 よりよく生きるためのアート/デザイン 未来を想像しながらアート/デザインが社会に貢献する方法をより広く捉える
第7回 プレゼンテーション 設定した課題に基づいて考案されたアート/デザインの考え方を取り入れたアイデアの発表とフィードバック

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

特になし

参考書、講義資料等

教科書は使用しないが、参考図書や資料は毎回配る(例:Graham Pullin 著『デザインと障害が出会うとき』)。
その他パワーポイントや映像、音声などを使用予定。

成績評価の基準及び方法

事前もしくは事後のライティング提出(毎週)(30%)、ディスカッションへの参加(30%)、課題提出(40%)

関連する科目

  • LAH.H102 : 芸術A
  • LAH.H202 : 芸術B
  • LAH.H302 : 芸術C

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なし

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