学問をはじめ、さまざまな場面で使われる言葉のひとつに「客観」があります。
例えば、現在の学術研究や論文では、客観性が重視されますが、そのようになったのはそんなに昔のことではありません。そう、「客観」という見方にも歴史があるのです。
この講義では「客観」という概念を見直して、実のところそれがなにを意味しているのかについて考えてみます。
こうした当たり前のように使われている概念の再検討を通じて、哲学を実践してみるのが本講義の狙いです。
この講義では、受講者が次のことをできるようになることを目標とします。
1) 哲学という営みがどのようなものかを理解できる。また、誰かに説明できるようになる。
2) 「客観」という概念について適切に検討できるようになる。
哲学、問い、客観
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式で進めます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | プロローグ――講義概要の説明 | この講義では何をするのか、どんなふうに臨めばよいかを理解する |
第2回 | 「客観」という言葉はどこから来たか? | 「客観」という概念の歴史を理解する |
第3回 | 『客観性』読解 1 | 文献『客観性』を読んで考える |
第4回 | 『客観性』読解 2 | 文献『客観性』を読んで考える |
第5回 | 『客観性』読解 3 | 文献『客観性』を読んで考える |
第6回 | 『客観性』読解 4 | 文献『客観性』を読んで考える |
第7回 | エピローグ――全体をふりかえる | 以上の考察をふりかえる |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
必要に応じて資料を配付します
ロレイン・ダストン&ピーター・ギャリソン『客観性』(瀬戸口明久&岡澤康浩&坂本邦暢&有賀暢迪訳、名古屋大学出版会、2021)
その他については講義内で随時紹介します
期末レポート60%、ミニレポート30%、講義への貢献(発言・質問など)10%
予備知識は必要ありません