本講義では,私たちが暮らす現代の経済社会を「資本主義」と呼ばれる一歴史社会として捉える歴史理論について講義します。まず,資本主義以前の前近代社会について扱った後,そこから資本主義への移行をみます。続いて21世紀の資本主義までの展開を段階的に考察します。
本講義のねらいは,歴史を単なる年表としてではなく,現代的関心に基づき,特定の視点(ここでは特にマルクス経済学の視点)からまとめられたものとして理解できるようになることです。そうすることで,学問的な歴史の語り方について省察します。さらに,科学技術の社会的影響についても考えていきます。
1) 資本主義と呼ばれる現代の経済システムの成り立ちと発展の歴史を大局的に把握できるようになる。
2) 現代の経済社会の諸問題を歴史的に位置づけ,その意味を理解できるようになる。
資本主義,帝国主義,グローバリズム,封建制,マルクス
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
配布資料をもとに講義します。受講生には毎回コメントペーパーの記入を求め,講義中に質問・コメントに回答します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | はじめに | 講義の概要および進め方,教科書序章,第3章 |
第2回 | 前近代的共同体 | 教科書第4,5章 |
第3回 | 封建制から資本主義へ(1):市場と国家の発展 | 教科書第9,10章 |
第4回 | 封建制から資本主義へ(2):産業革命と社会の変容 | 教科書第13〜17章 |
第5回 | 帝国主義 | 教科書第19〜21章 |
第6回 | グローバリズム | 教科書第22,23章 |
第7回 | まとめ | 資本主義の発展段階論の意義と課題の再考 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
小野塚知二『経済史:いまを知り,未来を生きるために』有斐閣,2018年
講義中に指示する
コメントペーパー:30%,期末試験:70%
高い日本語の読み書き能力
ehara.k.ac [at] m.titech.ac.jp
4/12(水)は、授業は実施しません。
この授業の実施日は、4/19(水),26(水)、5/10(水),17(水),24(水),31(水)、6/7(水)の全7回です。