本講義では、「エンジニア」という職業の歴史とその形成過程をたどっていきます 伝統的な職人と区別される存在としての「技術者 engineer」という職業は西洋近代で誕生し,15世紀以降の「西洋の台頭」を支えることになります. 本講義ではこの職業の形成に大きな影響力を持ったルネサンス期のイタリア,絶対王政期及び革命期フランス,産業革命期のイギリス,第二次産業革命期のドイツおよびアメリカ,そして明治維新後の日本に焦点を当てつつ,技術者という職業の性格とその歴史的展開について考察します.本講義のねらいは,受講者が過去を材料としてこの職業について多面的に理解できるようになること,及びそうすることで受講者各自が自らのキャリアについて考えるための材料を提供することにあります。
1. 技術者という職業について歴史的・反省的に理解できるようになること。
2. そうした理解に基づき技術者という職業の現在・今後について自ら考察できるようになること。
技術者,フランス革命,産業革命,工業化,工学教育
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
基本的に講義形式で進めていきます.講義後にリアクションペーパーを提出してもらいます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 「エンジニア」という言葉の来歴 | とくに設けない |
第2回 | イタリア・ルネサンスと「エンジニア」の出現 | リーディング課題を指示する。 |
第3回 | フランスの場合...「王の技師」から市民社会へ奉仕する技術者へ | リーディング課題を指示する。 |
第4回 | イギリス産業革命期のエンジニア:資本に奉仕する技術者の誕生 | リーディング課題を指示する。 |
第5回 | 後発工業国ドイツの第二次産業革命—国民国家に仕える科学・技術者 | リーディング課題を指示する。 |
第6回 | アメリカと第二次産業革命...資本に仕える科学者/管理者としてのエンジニア | リーディング課題を指示する。 |
第7回 | 日本型技術者の来歴,侍からサラリーマンへ | リーディング課題を指示する。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定なし.講義資料は事前にT2SCHOLAにアップする.
特になし
毎回のフォーム提出(20%)と期末レポート(80%)で評価する. なお,レポートでChatGPTなどの対話型AIを使用する場合その旨を記載し,その正しさを文献情報を示して裏付けることが求められる.
特に履修要件は設けない.