近代において、それぞれが独立したものとして存在してたメディアは、現代のデジタルメディア技術時代にあって、もはや区別できないほど融合し、私たちは「ポストメディウム」と称される時代に生きている。だが、こうしたメディア環境は、現代特有の条件であり、かつては諸メディアが、独自の映像文化を担っていた。本授業では、20世紀以降の映像文化において、メディア技術が表象する映像と人びとがどのような関係をもってきたのかを探究する。
本講義のねらいは、私たちを取り囲むさまざまなメディアの歴史がもつ個別の文脈を理解し、現代の映像文化について歴史的な視点から思考する態度を身につけることである。
本講義を履修することで以下のような能力を習得する。
①20世紀以降のメディア史を理解し、他者に説明することができる
②メディア技術と人間の関係を歴史的に捉えることができる
③現代の視覚文化をメタ的な視点から理解することができる
メディウム、視覚文化、映画、テレビ、スター、アイドル、アニメーション
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各セッションで、講義とディスカッションを組み合わせて進める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | コースの概要とイントロダクション | 近代のメディア文化を理解する |
第2回 | テクノロジーとしての映画 | メディウムとしての映画を歴史的に理解する |
第3回 | テクノロジーとしてのテレビ | メディウムとしてのテレビを歴史的に理解する |
第4回 | 映画スターという視聴覚メディア文化 | 映画スターと観客の関係を探究する |
第5回 | アイドルという視聴覚メディア文化 | アイドルと視聴者の関係を探究する |
第6回 | アニメーションという視聴覚メディア文化 | アニメーション原理と文化を理解する |
第7回 | 現代の映像文化における有名性 | インターネットにおける有名人文化の登場について理解する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定しない。
長谷正人(編)『映像文化の社会学』(有斐閣、2016年)
北村匡平『スター女優の文化社会学――戦後日本が欲望した聖女と魔女』(作品社、2017年)
西兼志『アイドル/メディア論講義』(東京大学出版会、2017年)
土居伸彰『21世紀のアニメーションがわかる本』(フィルムアート社、2017年)
授業への参加度(40%)、期末レポート(60%)
特になし。
kitamura.k.af[at]m.titech.ac.jp
4/13(水)は、授業は実施しません。
この授業の実施日は、4/20(水)、4/27(水)、5/11(水)、5/18(水)、5/25(水)、6/1(水)、6/8(水)の全7回です。