この授業では,世界のさまざまなパフォーマンス(音楽・映像・パフォーマンス・エッセイ等)から,今日の社会問題を検討します。具体的に扱うテーマは,仮想現実,引きこもり,アイデンティティ,マイノリティ,格差,摩擦,差別,社会制度,食の安全,環境,といったものです。理論的には文化人類学に基づくグローバル・スタディーズおよび異文化間コミュニケーション論を参照しながら,具体的な事例にそって幅広く検討します。新型コロナ感染症のまん延によって,現代の生き方・コミュニケーションのあり方は見直しを求められてきました。この授業を通して新たな視座を模索し,みなさんの世界を広げていってください。
(1) グローバル・スタディーズおよび異文化間コミュニケーション論の基本スタンスを体得する。
(2) 現代文化研究をめぐる問題系を理解する。
(3) 文化とアイデンティティの多様性について理解を深め,自分なりの考えを表現できる。
文化人類学,社会問題,パフォーマンス,メディア,経験
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
・Zoomを用いたオンライン授業です。
・演習主体の授業であり、毎回の授業は、1)講義をはさみながら、2)各テーマに関するペアワークやグループワークを実施し、3)その内容をアンケートやチャットで書き込みながら全体で共有・検討する、といった流れで進行します。
・質問はチャットなどを用いて随時受け付けます。
・毎回の授業終了後には、Googleフォームでコメントシートを提出する必要があります。
・コメントシートの内容は、次回授業の冒頭で検討します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ハンバーガー帝国 | 食の安全とグローバリゼーション |
第2回 | リュミエール! | 「いま・ここ」をみつめる技術と美学 |
第3回 | ダリの夢 | つながり流れる世界とわたし |
第4回 | 引きこもりからみた世界 | 夢/現実、リアリティとは |
第5回 | さまよえる風景 | 「グローバル・スケープ」と現代 |
第6回 | 「わたしたち」という幻想 | 創られる伝統・共同体 |
第7回 | ネーションの結びつき | 集団的無意識 |
第8回 | 境界領域を生きる人びと | 国境・国民・国家のはざまで |
第9回 | エスニシティを見つめる | 行為主体とは誰なのか |
第10回 | 生きること | マイノリティの生政治 |
第11回 | 社会問題が生じるとき | 格差・摩擦・抵抗 |
第12回 | 脱領土化の果てに | ハイブリディティ論 |
第13回 | 世界をみつめる | 脱人間中心主義・自然主義 |
第14回 | まとめ | わたしと世界の距離について |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特定の教科書は使用しない。
指定の教科書はとくにない。参考文献は適宜授業内で紹介するが,一例は以下のとおり。
M.マクルーハン(1968). グーテンベルクの銀河系. 竹内書店.
A.アパデュライ (2004). さまよえる近代:グローバル化の文化研究. 平凡社.
B.アンダーソン (2004). 定本想像の共同体:ナショナリズムの起源と流行. 図書新聞.
N. García Canclini et al. (2005). Hybrid cultures : strategies for entering and leaving modernity. University of Minnesota Press.
K.ユクスキュル (2005). 生物から見た世界. 岩波書店.
J.リッツア (2008). マクドナルド化した社会:果てしなき合理化のゆくえ. 早稲田大学出版部.
M.フーコー (2012). 真理の勇気. (ミシェル・フーコー講義集成) . 筑摩書房.
授業参加度40% 授業内課題20% 期末テスト40%
ただし出席が2/3に満たない受講者は、期末テストの受験資格がありません。
事前に身に付けているべき知識や技術はないが,授業内容と自身の関心を結びつけて,積極的に参加すること。