「哲学」といえば、プラトンやデカルトやヴェイユといった過去の偉大な哲学者たちが考えたことを知識として学ぶ、というイメージがあるかもしれません。他方で哲学とは、誰もが試したり取り組んだりできる営みでもあります。
では、自分でも「哲学」をしてみるにはどうしたらよいでしょうか。過去の哲学者たちが考え、書いたものをよく読んで検討してみること。遠回りに見えるかもしれませんが、これこそが近道です。
例えば、自分で料理やプログラミングをできるようになるには、誰かが考えて書いておいてくれたレシピや解説書をお手本に練習や試行錯誤を繰り返す必要がありますね。同じように、哲学をするためにはトレーニングが必要です。
この講義では、古いものから新しいものまで、具体的なテキストを読みながら、哲学のトレーニングに挑戦してみます。
この講義では、受講者が次のことをできるようになることを目標とします。
1) 哲学という営みがどのようなものかを理解できる。また、誰かに説明できるようになる。
2) 哲学のテキストの読み方を身につける。
哲学、哲学史、問い、百学連環、人文学、読書法
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
スライドを使った講義形式と受講者による読書会形式を併用します
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | プロローグ――講義概要の説明 | この講義では何をするのか、どんなふうに臨めばよいかを理解する |
第2回 | 読むということについて | 読書法を理解する |
第3回 | 読書会1 | 文献1の指定箇所を読み解く |
第4回 | 読書会2 | 文献1の指定箇所を読み解く |
第5回 | 読書会3 | 文献1の指定箇所を読み解く |
第6回 | 文献1のふりかえり | 文献1についてふりかえる |
第7回 | 読書会4 | 文献2の指定箇所を読み解く |
第8回 | 読書会5 | 文献2の指定箇所を読み解く |
第9回 | 読書会6 | 文献2の指定箇所を読み解く |
第10回 | 文献3のふりかえり | 文献2についてふりかえる |
第11回 | 読書会7 | 文献3の指定箇所を読み解く |
第12回 | 読書会8 | 文献3の指定箇所を読み解く |
第13回 | 読書会9 | 文献3の指定箇所を読み解く |
第14回 | 文献3のふりかえり | 文献3についてふりかえる |
第15回 | エピローグ――全体をふりかえる | ここまでの講義をふりかえる |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
必要に応じて資料を配付します
講義内で随時紹介します
読書会レジュメ作成50%、講義への貢献(発言・質問など)50
予備知識は必要ありません
本講義で読む文献については、次のものを候補として考えています。読むテキストは、受講者の人数と希望などを勘案して決める予定です。エピクテトス『人生談義』、デカルト『方法叙説』、夏目漱石『文学論』、チューリング「計算機械と知能」、アーレント『人間の条件』、伊藤亜紗『手の倫理』など。