本講義では、特にイギリス産業革命を事例に技術がどのように発展していくのか学習します。さらにイギリス製鉄業の発展、帝国主義と技術との関係、アメリカの大量生産技術と大衆消費社会の誕生について講義します。
以上のような、技術の歴史の学習を通じて、現代技術の持つ性格・特徴とその課題などについて学習します。
1、学生が、イギリス産業革命を事例に技術発達のメカニズムについて説明できる。
2、学生が、19世紀以降の科学・技術の展開およびそれが社会に及ぼした影響について理解できる。
3、学生が、現代技術の起源からもたらされる性格・特徴とその課題などについて理解できる。
産業革命、蒸気機関、ジェームズ・ワット、製鉄業、帝国主義と技術、大量生産
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義の後、コメントシートの作成を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス 科学とは何か、技術とは何か、科学と技術の違い。技術の歴史を学ぶ意味とは。 | 科学と技術の違いについて質問するので自分なりの解答を考えておく。 |
第2回 | イギリス産業革命(1) 産業革命を準備した背景と引き金、綿工業における技術革新 | 配付資料を読む。 |
第3回 | イギリス産業革命(2) ジェームズ・ワットによる蒸気機関の改良1—分離凝縮器の発明 | 配付資料もしくは指示した資料を読んでおく。 |
第4回 | イギリス産業革命(3) ジェームズ・ワットによる蒸気機関の改良2—工場用原動機としての改良、産業革命の伝播とその社会的影響(労働環境・都市環境の悪化なども含む) | 配付資料もしくは指示した資料を読んでおく。 |
第5回 | 18-19世紀におけるイギリス製鉄業の発展、近代溶鋼法の成立 | 配付資料もしくは指示した資料を読んでおく。 |
第6回 | 帝国主義と技術 アヘン戦争と蒸気船、マラリアの克服とアフリカ征服、機関銃による戦争様式の変化 | 配付資料もしくは指示した資料を読んでおく。 |
第7回 | アメリカの大量生産技術と大衆消費社会の誕生 互換性部品の生産、テーラーとフォード | デーヴィッド・A. ハウンシェル(和田 一夫, 藤原 道夫, 金井 光太朗訳)『アメリカン・システムから大量生産へ 1800‐1932』名古屋大学出版会、1998年を読む。 |
第8回 | 試験とこれまでの講義のまとめ | 試験ですので、これまでの学習内容を十分に復習してください。 |
兵藤友博、小林学、中村真悟、山崎文徳共著『科学と技術のあゆみ』ムイスリ出版、2019年
参考書
荒井 政治、内田星見、鳥羽欽一郎編『産業革命の世界〈2〉産業革命の技術』有斐閣 、1981年
ポール・マントゥ(徳増栄太郎、井上幸治、遠藤輝明訳)『産業革命』東洋経済新報社、1964年
R・C・アレン(眞嶋、中野、安元、湯沢訳)『世界史のなかの産業革命』名古屋大学出版会、2017年
中澤護人『鋼の時代』岩波書店、岩波新書、1964年
D・R・ヘッドリク(原田 勝正、老川 慶喜、多田 博一訳)『帝国の手先—ヨーロッパ膨張と技術』日本経済評論社、1989年
デーヴィッド・A. ハウンシェル(和田 一夫、藤原 道夫、金井 光太朗訳)『アメリカン・システムから大量生産へ 1800‐1932』名古屋大学出版会、1998年
そのほか、講義内で指示する。
中間レポート30%、期末試験70%。ただし単位の認定のためには、5回以上の出席を要する。
ぜひとも履修して欲しい人:知的好奇心がある人。歴史が好きな人。みなさんが勉強・研究している学問領域の起源(ルーツ)を知りたい人など。履修希望者は初回講義に必ず出席してください。
高校の世界史は、すべて必ず復習してください。
シラバスの内容に変更ある場合には通知する。