私は90年代から2000年代にかけて、合計3年間、インドでフィールドワークをしてきました。対象はRSS(民族奉仕団)という団体で、「ヒンドゥー・ナショナリズム」「ヒンドゥー原理主義」と言われる政治・文化・宗教運動を牽引しています。現在のインドは、RSSが下部組織として下支えするBJP(インド人民党)が政権与党を担っており、首相のナーレンドラ・モーディーもRSSと深いかかわりのある人物です。私はなぜ経済成長が著しい現代インドで、宗教右派の政治運動が拡大するかを調査し、研究してきました。この授業では、私自身のインドでのフィールドワーク体験を踏まえ、文化人類学・政治学・現代思想が探求してきた主体論や他者表象の問題を、理論と実践の両面からお話ししたいと思います。
フィールドワークという研究手法について、その基本的特徴・技法を理解する。他者表象の問題について、理解する。
日常的実践、エージェンシー、抵抗、まなざし、サバルタン、オリエンタリズム
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
基本的に教員(中島)がレクチャーを行い、そのあと参加者でディスカッションを行います。レジュメ(もしくはスライド資料)を準備し、事前にお送りします。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 授業オリエンテーション | 授業の進め方を理解する |
第2回 | エージェンシー・日常的実践・抵抗 | 行為主体性について理解する |
第3回 | まなざしと主体のポリティクス-観光人類学の視点から | 他者のまなざしが、いかに文化の変容を促すかについて理解する。 |
第4回 | 政治と主体-デリーのスラムの事例から | フィールドワークの事例を学ぶ |
第5回 | 弱者の表象-サバルタン・スタディーズ | サバルタン(抑圧されたもの)の表象について考える |
第6回 | 文化・伝統の表象-オリエンタリズム論 | エドワード・サイード「オリエンタリズム論」を理解する |
第7回 | まとめ | これまでの授業で学んだことを振り返る |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし
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毎回のコメント(30%)と期末レポート(70%)
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