本講義では日常生活やスポーツ場面における人間の行動や動作を分析するためのバイオメカニクス分野における動作解析の方法論を学ぶ。バイオメカニクスは,力学や工学的方法を用いて人間の運動と行動を分析する学問分野であり,運動器の構造と力発揮の仕組み,力学的原則に従い人間がどのように効率的な動作を行っているのかを研究対象にしながら,映像も用いた動作解析が主な研究方法である。この分野の研究方法を理解することは,専門コースの研究活動に有益である。
本講義では,人間の行動と動作について,運動器の構造と力発揮の仕組みを理解し,動作解析装置を用いた解析方法とデータ解析法を修得し,実際の動作解析実習のデータを活用して分析できる能力を養う。
本科目を履修することにより次の知識と能力を修得する。
1)運動器の構造と力発揮の仕組みを理解し,身体の解剖学的な特徴を説明できる。
2)動作解析に用いられる装置や原理を理解し,DLT法を説明できる。
3)身体の運動を運動学的に分析する方法を理解し,関節運動についてオイラー角を用いた分析方法を説明できる。
4)身体の運動を動力学的に分析する方法を理解し,関節運動についてニュートン・オイラー法を用いた分析方法を説明できる。
5)取得したデータの解析方法を理解し,フィルター処理の方法を説明できる。
6)動作解析のデータを分析し,レポートとしてまとめることができる。
バイオメカニクス,動作解析,運動器,筋力,解剖学, DLT法,運動学,動力学,オイラー角,ニュートン・オイラー法,逆動力学,デジタルフィルター,残差分析,床反力,身体部分慣性係数,筋電位,A/D変換
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
1)スライドを用いて講義をします。
2)毎回の講義の終わりに,その日の教授内容に関するショートレポートを書いてもらいます。
3)講義7回目に動作解析の実習を行い,そのデータを用いてレポートを書いてもらいます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | バイオメカニクスと動作解析法の概要説明 | バイオメカニクスの研究課題と動作解析法を理解する。 |
第2回 | 運動学的動作解析 -身体座標系の定義 -オイラー法を用いた関節角度と角速度の算出 | 運動学的な動作解析を行うために必要な,身体座標系の定義,オイラー法による関節角度算出,関節運動の算出を理解する。 |
第3回 | 動力学的動作解析 -体節の定義と自由体図の表現 -ニュートン・オイラー法による逆動力学解析 | 動力学的な動作解析を行うために必要な,体節の定義と自由体図の表現,およびニュートン・オイラー法を用いた逆動力学解析を理解する。 |
第4回 | 画像を用いた動作解析 -DLT法 -デジタルフィルター | 画像を用いた動作解析に必要な,DLT法と信号処理を理解する。 |
第5回 | 動力学的動作解析のための計測法 -床反力計による計測 -身体部分慣性係数 | 動力学的な動作解析に必要な,床反力計による計測と身体部分慣性係数について理解する。 |
第6回 | 第6回 計測法と信号処理 -筋電位計測 -加速度計測 -A/D変換 | 筋電位と加速度の計測法とA/D変換について理解する。 |
第7回 | 動作解析実験 | 動作解析装置を使用し,データを取得する。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定なし
授業で扱う全ての資料は,事前にT2SCHOLAにアップする。
毎回の授業内容を理解しているか,動作解析のデータを解析し,レポートを作成できるかを評価する。
配点は,毎回のショートレポート40%と最終レポート60%である。
指定なし