ストレスの心理生理的メカニズムについて講義する。特に、近年注目されている自律神経系の適応反応に関する新しい理論(ポリヴェーガル理論)についての文献講読を通して、ストレス反応の理解を深める。
人間を多面的に理解した上で、生理的側面の評価にあたって研究目的に応じた適切な指標を選択する能力を涵養することが本講義のねらいである。
本講義を履修することによって次の知識と能力を修得する。
1)ストレスの心理生理学的反応のメカニズムを説明できる。
2)ポリヴェーガル理論について説明できる。
3)トラウマインフォームドアプローチについて説明できる。
健康、心理生理学、ストレス、自律神経系、内分泌系、ポリヴェーガル理論
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義およびグループワークを行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ストレス研究の最前線 | ストレス研究の最前線について説明せよ。 |
第2回 | 心理的側面から評価するストレス | 心理的ストレス反応メカニズムを説明せよ。 |
第3回 | 生理的側面から評価するストレス | 各種生理的評価方法について特徴から分類せよ。 |
第4回 | ポリヴェーガル理論とは | ポリヴェーガル理論について説明せよ。 |
第5回 | ポリヴェーガル理論とトラウマ | トラウマ起因のストレスについてポリヴェーガル理論で説明せよ。 |
第6回 | 心理的ストレス実験:計画 | 心理的ストレス実験の計画を立てよ。 |
第7回 | まとめ | 実験計画案を発表する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし。
講義資料はOCW-iかT2SCHOLAにより与える。
授業中の発表、ディスカッション、グループ・ワークへの積極的な参加が望まれる。様々なストレス反応の評価について各自で調べてきたものをショート・レポートとしてまとめ、グループワークで活用する。実験計画案を最終レポートにまとめて提出する。
成績評価は、授業で提出する「ショート・レポート」(合計30%)、最終レポート(50%)、発表(合計20%)に基づいて行う。
学術論文データベース(EBSCOhost, Web of Science Core Collection, PubMedなど)での論文検索に慣れていて、人間を多面的に理解することに興味があることが望ましい。
永岑 光恵(ながみね みつえ)、nagamine.mitsue[at]ila.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。
当講義は理学の内容からなる。