本講義は、受講生に、人間・社会・科学技術の理解に必要な人文学・社会科学・理工学についての広い知識と、多分野にわたる分析方法、および、多様な分析方法による分析結果の統合方法の修得の機会を、ワークショップ、多分野の講義や演習、および、プレゼンテーションを通じて提供する。
5分野(「政治・法律・行政分野」、「教育・福祉・健康分野」、「文化・芸術分野」、「科学技術社会分野」、「認知・数理・情報分野」)を設定し、受講生それぞれに、多分野の基礎知識や研究方法、および、多分野にわたる分析結果の統合方法を身につけさせ、人間・社会・科学技術の特性や相互作用の理解に基づいて問題の本質を捉える洞察能力、人間や社会や科学技術を過信しない省察能力、新たな科学技術が持つ意義や問題点、それへの対応方法を人間や社会に伝え、人間や社会が持つ関心や懸念を科学者・技術者に説明する翻訳能力など、受講生の人間・社会・科学技術の間のブリッジ能力を涵養することが本講義のねらいである。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)自分の研究対象と研究方法が属する分野を特定できる。
2)研究対象を多分野における研究方法を用いて分析できる。
3)多分野にわたる分析結果を統合できる。
4)統合した研究結果を用いて、自分の研究方法の適用可能範囲や制約を知ることができる。
5)自分の研究の意義や問題点、問題点に対する対応を把握して他者に伝えることができる。
多分野、分析方法、統合方法、洞察能力、省察能力、翻訳能力、ブリッジ能力
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
受講生それぞれが自分の研究対象と研究方法が属する分野を特定し、自分の研究対象の分析に用いる多分野における研究方法を選定するための「多分野分析統合ワークショップ」を開催する。ワークショップの成果をまとめた「多分野分析統合計画書」を作成・提出する。
その後、受講生それぞれが選定した多分野における研究方法に関連する担当教員による授業や演習に参加し、自分の研究対象を多分野における研究方法を用いて分析する。そして、分析結果を統合して、自身の研究方法の適用可能範囲や制約を検討する。検討結果をまとめた「多分野分析統合報告書」を作成・提出する。
さらに、「多分野分析統合報告会」に参加して、「多分野分析統合計画書」と「多分野分析統合報告書」に基づいて、自分の研究や研究方法の意義や問題点、問題点に対する対応についてプレゼンテーションを行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 1)「多分野分析統合ワークショップ」の開催。 2)受講生それぞれが選定した多分野における研究方法に関連する担当教員による授業や演習の実施。 3)自分の研究対象の多分野における研究方法を用いた分析、分析結果を統合、自身の研究方法の適用可能範囲や制約の検討。 4)「多分野分析統合報告会」の開催。 | 1)自分の研究対象と研究方法が属する分野を特定し、「多分野分析統合計画書」を作成・提出する。 2)多分野の基礎知識や研究方法を知る。 3)分析結果、統合結果、検討結果をまとめた「多分野分析統合報告書」を作成・提出する。 4)「多分野分析統合計画書」と「多分野分析統合報告書」に基づいて、自分の研究の意義や問題点、問題点に対する対応を把握して他者に伝える。 |
なし。各受講生が参加する授業の教科書については担当教員の指示に従うこと。
なし。各受講生が参加する授業の参考書と講義資料等については担当教員の指示に従うこと。
「多分野分析統合ワークショップ」(10%)、「多分野分析統合報告会」(10%)、各受講生が選定して参加する授業や演習への参加状況(60%)、「多分野分析統合計画書」(10%)、「多分野分析統合報告書」(10%)による。
本授業は、2020年度以降に入学した学生は履修できない。
tde[at]shs.ens.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。
当講義は理学の内容を含む。