教育工学的な授業・教材・教育システムの設計に必要な基礎知識を習得し,活用できるようになるとともに、それに関連した最近の研究動向を把握することを目的とする。
教育工学的な教材設計手法を経験的に習得するために,効率的な教材開発を可能にするe-leaning教材開発プラットフォームであるIAGシステムとパワーポイントを併用して、各授業の学習成果を活用する演習を行う。また、開発した教材について、研究論文として成果をまとめ、発表する活動を行う。
1) 教育工学研究の評価観点を挙げ,文献研究を通じて新規性のある教育工学研究のテーマを発想する視点や方法を習得し,適用できる。
2) 「問題解決の縦糸・横糸モデル」と教材開発の演習体験に基づき,より良い研究をする上で必要な手続き,見方・考え方,内部知識を,具体例に則してそれらが必要な理由とともに説明できる。
3) 授業・教材設計に有用な学習者モデル,教材設計の枠組み,対話制御の方略,学習評価や効果検証の方法を説明したり,実践の場で適用したりできる。
教育工学,インストラクショナルデザイン、IDプロセスモデル、学習科学、教授学習過程,教育目標分類,学習者モデル、メタ認知、見方・考え方,次元分け,9教授事象,ARCS動機づけモデル、GBS理論
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
各回e-learning教材による学習と演習とで2コマ分から成る。E-learning教材で事前学習してから授業に参加することを必須とする(ただし、第1回分は事後学習)。教材の最後に課題が出題されるので,演習では,e-learning教材での知識獲得の確認テストを行い,解説をした後,課題に取り組んだ成果を相互評価したり,議論したり,それを具体的な教材として実装することに焦点を当てる。
演習は対面で実施する。4月10日正午までに、mドメインアドレスから履修希望のメールを下記連絡用アドレスに送信すること。e-learning教材にアクセスするためのパスワードをmドメインアドレス宛に知らせる。連絡が無いと、授業を履修できなくなるので注意すること。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 4/10: この授業で採用する教材開発手法、教材・研究テーマの発想法(演習) | 作成したいe-learning教材の提案書作成 |
第2回 | 4/17 心理学・学習観の変遷と教育工学研究の変遷(講義と個別学習教材を併用) | 各自のテーマに関する文献研究 |
第3回 | 4/24 提案書の改善と教授活動ゲームの使用法(演習) | オリジナリティと期待される仮説の説明 |
第4回 | 5/1 教育工学やインストラクショナル・デザインの重要概念(講義と個別学習教材を併用) | 教材の素材となるスライドファイルの作成 |
第5回 | 5/15 ゲーム盤の書き方(講義と個別学習教材を併用) | シナリオ作成 |
第6回 | 5/22 ゲーム盤の書き方(演習) | スライド作成 |
第7回 | 5/29 教育目標分析と次元分け(講義と個別学習教材を併用) | 目標分析と次元分け |
第8回 | 6/5 目標・文脈・意図に応じた対話制御(講義と個別学習教材を併用) | 対話方略検討 |
第9回 | 6/5[7-8限] スライドのピアレビュー(演習) | スライドの改善 |
第10回 | 6/12 形成的評価と総括的評価(講義と個別学習教材を併用) | スライドの改善 |
第11回 | 6/19 ログの取得・解析・活用(講義と個別学習教材を併用) | ゲーム盤の書き方に関する質問 |
第12回 | 7/3 ゲーム盤の書き方に関するQ&A(演習) | 教材用ゲーム盤の完成 |
第13回 | 7/24 教材の形成的評価(演習) | 教材用ゲーム盤の改善, 発表会用スライドの作成 |
第14回 | 8/7[5-7限] 期末試験、発表会(演習) | 教材の形成的評価と改善、事後レポート |
学修効果を上げるため,e-learning教材で復習すること。毎回の課題を次の授業までに実施すること。
授業に関する連絡・日程などを含め、必要な情報提供は以下から行うので必ず確認すること。
www.et.hum.titech.ac.jp/~matsuda/grad-ID/new.html
・松田稔樹・星野敦子・波多野和彦(2013)「学習者とともに取り組む授業改善~授業設計・教育の方法および技術・学習評価」学文社
・ガニェ他著/鈴木他訳(2007)「インストラクショナルデザインの原理」、北大路書房
・ウォルター ディック, ジェームス・O.ケリー, ルー ケリー, /角行之訳( )「はじめてのインストラクショナルデザイン」ピアソンエデュケーション
・成績評価は、出席状況、e-learning教材上の演習を含めた課題点、及び期末試験に基づいて行う。
・事前にe-learning教材に取り組んでいない者、毎回の課題を全て提出していない者は、単位取得できない。
・成績評価は、e-learning教材への取り組みと知識確認テスト30%程度、期末試験40%、課題30%程度の配点を想定している。
第1回授業後直後の金曜日までに、下記連絡先メールアドレスに対して、最終的に履修するか否かの連絡をすること。
・配布するIAGシステム上でe-learning教材を開発するため、自分のWindowsマシンを持参すること。
grad-ask[at]et.hum.titech.ac.jp
メールで事前予約すること
・期末試験は、授業で扱った用語、概念、事例、手法の理解に関するものを中心とする。