この授業は講義、文献読解、グループワークで構成される。コミュニケーションを主眼とした授業であることから、履修生は講義や文献の内容について議論する機会を多く与えられ、それを通じて自らの意見を述べるための技術を理解し訓練することになる。授業を通じて履修生は様々な科学技術の領域に関して多様なサイエンス・コミュニケーションのフォーマットを共同で体験し、最終的には自分たちでサイエンス・コミュニケーションのイベントを開催するプロジェクトに取り組む。
科学技術と同様にサイエンス・コミュニケーションも国境を超えるものである。研究や技術開発によって科学知を作り出し広めていく立場の者にとってこれは特に重要な認識となる。このコースではサイエンス・コミュニケーションの概要を学び、その重要性を示す近年の事例を検討する。履修生はグローバルな科学知および公共知について理論的に理解し、サイエンス・コミュニケーションの様々な方式を実践的に活用できるようになる。
サイエンス・コミュニケーション、社会、研究理論
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義、議論、グループワーク。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 導入 なぜサイエンス・コミュニケーションか、またなぜ「グローバルな」サイエンス・コミュニケーションなのか。 | 「サイエンスコミュニケーション」の意味と重要性を理解する |
第2回 | グループワーク:誰が、誰と、コミュニケーションをとるのか? | 科学者、専門家としてのサイエンスコミュニケーターと「一般市民」の役割を理解する |
第3回 | 博物館における科学 | 科学と博物館の基本的な歴史と、博物館による実践における近年の変化について説明するmuseum practices. |
第4回 | グループワーク:科学博物館のレポート | 科学博物館訪問について報告し、何がどのように伝えられているかを説明する |
第5回 | 牛、羊、(不)自然な災害-リスクと一般市民 | ケーススタディが科学の優れたコミュニケーションとよくないコミュニケーションの結果を示しうる理由について理解する |
第6回 | グループワーク:ステークホルダーと科学の陪審 | 科学の市民陪審とはどういうものか説明し、また「模擬科学裁判」を実施する |
第7回 | サイエンス・コミュニケーションとアート | サイエンスコミュニケーションとアートの関係について理解する |
第8回 | グループワーク:演劇とサイエンス・コミュニケーション | サイエンスコミュニケーションのスキルを演劇のテクニックを利用して実践し高める |
第9回 | サイエンス・コミュニケーションとデジタル時代 | デジタル化とインターネットによる、世界のサイエンスコミュニケーションにおける近年の変化を理解する |
第10回 | グループワーク:オンライン・サイエンス・コミュニケーション | WWWあるいはソーシャルメディアを利用して科学あるいは工学の一面を伝える |
第11回 | 「関与」とは何か、なぜ重要なのか | 科学の市民関与とその実践例を理解する |
第12回 | グループワーク:サイエンス・コミュニケーション・プロジェクトワーク | 本講義で導入したテクニックや例を用いて、科学/工学の一面を伝える方法を考案し実践 する |
第13回 | グループワーク:サイエンス・コミュニケーション・プロジェクトワーク | 本講義で導入したテクニックや例を用いて、科学/工学の一面を伝える方法を考案し実践 する |
第14回 | サイエンス・コミュニケーション・プロジェクト・イベント(サイエンスカフェ、舞台作品など) | サイエンスコミュニケーションのイベントを実施することにより、本講義のコンテンツ理解を示す |
第15回 | まとめ | 本講義のコンテンツ理解に基づき、質疑応答を行う |
Jane Gregory and Steve Miller “Science in Public: Communication, Culture and Credibility”より抜粋
授業時に適宜配布
授業への貢献度合い、最終プロジェクトへの取り組み評価および個別レポート
特になし。