放射性同位元素とそれから発生する放射線は、エネルギーから医療・ライフサイエンス分野に至るまで幅広く用いられている。この講義では、アクチノイド元素・その他放射性元素・放射線の特徴や製造法・測定法などの基礎的事項からその応用に至るまで幅広く学び、放射化学という学問の重要性を理解することを目的とする。また、放射線利用や原子力利用に関して科学的な判断ができる能力を養うことを目指す。
授業到達目標として、以下を挙げる。
①放射線・放射性元素の化学・生物影響を理解すると共に、放射線・放射性元素のエネルギー・生命科学・医療への応用について説明ができる能力を養う。
②放射線と放射能の基礎知識を理解し、これらの違いについて説明できる能力を養う。
放射化学、放射線、放射能、放射線利用、fブロック元素の化学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
理解を深めるため、適宜演習を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 原子核の構造、放射線の種類 | 放射線と原子核との関係について説明できるようになる |
第2回 | 放射性壊変と放射平衡 | 放射性元素の壊変、壊変則、放射能、崩壊系列、放射平衡について説明できるようになる |
第3回 | 放射線と物質との相互作用 | α、β、γ線、中性子と物質との相互作用について説明できるようになる |
第4回 | 放射線の計測法/放射性核種の種類 | 放射線検出器の原理と用途および壊変系列など放射性核種の種類について説明できるようになる |
第5回 | fブロック元素の化学 (1) | fブロック元素の量子化学およびf軌道に基づく化学的性質について説明できるようになる |
第6回 | fブロック元素の化学 (2) | fブロック元素の量子化学およびf軌道に基づく化学的性質について説明できるようになる |
第7回 | アクチノイド化学 | アクチノイド元素の化学的性質について説明できるようになる |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
・核化学と放射化学:木越邦彦 著 (裳華房)
・化学・生化学のための放射化学入門:D.J.マルコムローズ 著 瀧幸・松浦辰男・泉水義大 訳 (学会出版センター)
講義中に適宜、資料を配布する。
・放射化学概論(第2版):富永健・佐野博敏 著 (東京大学出版会)
・放射線概論―第1種放射線試験受験用テキスト 柴田 徳思(通商産業研究社)
授業参加度(授業内に実施する小テストなど)、レポート及び試験等の成績で、上記到達目標を総合的に評価する。
基礎化学の知識を習得していることが望ましい。
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メールにて問い合わせすること。