地球の水循環や水に関わる気象現象のリモートセンシング(遠隔観測)について講義する。本講義では特に水防災、水資源管理、食糧生産、気候変動モニタリング等で重要な雨・雪のリモートセンシングを主な対象とする。
リモートセンシングに用いられる電磁波の基礎について、マイクロ波を中心に学び、さらに地上レーダや人工衛星搭載の各種センサなど、様々な機器を用いた水文気象リモートセンシング手法の原理や特徴を学ぶ。また、講義で解説した基礎知識を活用しながら実際のリモートセンシングデータの分析を体験することで、学んだ内容の理解を深める.
本講義を履修することによって以下の能力を修得する。
(1)水文気象のリモートセンシングの基礎的な原理や特徴について説明できる。
(2)リモートセンシングデータの基礎的な分析ができる。
降水、水循環、水文気象学、人工衛星、リモートセンシング
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の最後に小テストまたは小課題を行う。また講義時間中にコンピュータを使ってリモートセンシングデータの簡単な分析を体験する。このため受講者はインターネットに接続できるノートパソコンの持参が必要。
小テスト・小課題と別に課す最終課題について第14回目の講義で各自がプレゼンテーションを行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オリエンテーション | 講義の進め方や目的について概説する。 |
第2回 | 水文気象現象の基礎、リモートセンシングの基礎 | 本講義で対象とする水文気象現象とリモートセンシングの基礎について解説する。 |
第3回 | 電磁波の基礎 | リモートセンシングに用いられる電磁波の基礎について解説する。 |
第4回 | マイクロ波と大気、地表面(1) | リモートセンシングに用いられる主要な電磁波の一つであるマイクロ波について、大気や地表面との関連を中心に解説する。 |
第5回 | マイクロ波と大気、地表面(2) | 前回に引き続き、マイクロ波と大気・地表面との関連を解説する。 |
第6回 | マイクロ波と降水 | マイクロ波と降水の関連について解説する。 |
第7回 | マイクロ波放射計による降水リモートセンシング、最終課題の説明 | マイクロ波放射計を利用した降水(雨や雪)のリモートセンシングの基礎的な原理や特徴について解説する。 また、最終課題のテーマや進め方について説明する。 |
第8回 | レーダを用いた降水リモートセンシング | レーダを用いた降水(雨や雪)のリモートセンシングの基礎的な原理や特徴について解説する。 |
第9回 | 可視・赤外波長を用いた降水リモートセンシング | 可視・赤外波長を用いた降水(雨や雪)のリモートセンシングの基礎的な原理や特徴について解説する。 |
第10回 | 様々な降水リモートセンシングデータの特徴 | 様々なセンサや手法による降水のリモートセンシングデータについて、それぞれの特徴を比較しながら解説する。 |
第11回 | 降水リモートセンシングデータの応用例 | 様々な降水リモートセンシングデータについて、その特徴を踏まえた応用例を紹介する。 |
第12回 | 水に関わる様々なリモートセンシング(降水以外) | 降水以外の水に関わる様々なリモートセンシング(海洋、河川、湖沼、雪氷など)について解説する。 |
第13回 | リモートセンシングデータの分析(1) | 最終課題のプレゼンテーションに向けてリモートセンシングデータの分析を行う。 |
第14回 | リモートセンシングデータの分析(2) | 最終課題のプレゼンテーションを行う。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし
資料は教員が毎回提供する。このほか、参考書は以下の通り。
Petty, G. W., 2006: A First Course in Atmospheric Radiation. 2nd Edition. Sundog Publishing.
各回の小テスト・小課題(50%)
最終課題(50%)
データ分析を行うため、受講者はインターネットに接続できるノートパソコンの持参すること。