米国Northwestern大学のYu (Marco) Nie 教授が、交通システム分析に関する内容に焦点を当てて、土木工学分野の最近の話題を講義する。交通工学の基礎理論のひとつである交通流の理論とその応用ともいえる容量解析や交通制御の方法を学ぶととともに、最近の高度交通システム(ITS)に関する話題にも言及する。車両の挙動分析やその制御に関する理論は、最近の自動運転システムの開発にも応用されており、様々な交通問題を解決・緩和するための方法論の基礎となっている。これらの方法論を体系的に学ぶことは、交通工学分野の専門的技術者や研究者となるための必須の条件のひとつである。
この講義を通して、学生は以下の能力を修得する。
1)交通システム分析と交通工学の基本概念を理解できること、
2)車両挙動や交通流理論を理解できること
3)交通混雑のメカニズムを説明する理論体系を理解できること
4)交通容量解析や交通サービス水準評価の方法論を説明できること
交通システム分析、交通流理論、容量解析、交通制御
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 交通システム分析 | 道路交通システムを中心とした交通システム分析の基本概念を理解する |
第2回 | 車両挙動分析(1) | 車両挙動のルールと基本モデルを学ぶ |
第3回 | 車両挙動分析(2) | 車両挙動を基礎にした道路設計問題を解く |
第4回 | 交通流理論(1) | 自動車交通流を記述する変数を理解する |
第5回 | 交通流理論(2) | 自動車交通流を説明する基本方程式を学ぶ |
第6回 | 追従理論(1) | 車両の追従挙動を理解する |
第7回 | 追従理論(2) | 追従理論に基づく交通流の基礎方程式を理解する |
第8回 | 中間試験と説明 | 車両挙動と交通流の理論を説明する |
第9回 | 交通容量解析(1) | 交通容量解析の基礎を学ぶ |
第10回 | 交通量量解析(2) | 交通サービス水準評価の方法を理解する |
第11回 | 交通制御(1) | 信号制御の基礎を学ぶ |
第12回 | 交通制御(2) | 信号パラメータの設計問題を解く |
第13回 | 高度交通システム(1) | 高度交通システムの構成要素を理解する |
第14回 | 高度交通システム(2) | 自動運転を含む最新のITS技術を学ぶ |
第15回 | 最終試験と説明 | 容量解析と交通流の制御・マネジメントの方法を説明する |
ハンドアウト
Principles of Highway and Traffic Engineering” Fifth Edition, by Fred L. Mannering, Scott S. Washburn, and Walter P. Kilareski, John Wiley & Sons, 2011.
試験80%、演習20%
数学の基礎知識、とくに、微分