2024年度 水理学第一   Hydraulics I

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開講元
土木・環境工学系
担当教員名
藤井 学  内海 信幸 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(W5-107)  金3-4(W5-107)  
クラス
-
科目コード
CVE.B201
単位数
2
開講年度
2024年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2024年3月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

水理学第一では、水の流れの中でも主として非粘性流体(完全流体)を取り扱う。オイラー運動方程式、流線に沿ったベルヌーイの定理(エネルギー保存則)、連続の式(質量保存則)、運動量保存式などの水理学の基礎的な概念と原理を理解するとともに、様々な水理学的現象への適用例を学習する(例えば、ピトー管、トリチェリ定理、U字管、曲管部に働く力、物体に働く抗力等)。また、渦なしとして取り扱うことのできる流れ(刃型堰の流れ、波の流れなど)については、速度ポテンシャルや流関数、圧力方程式などが適用されることを理解し、実際にフローネットなどを用いて渦なし流れの解析手法を学習する。粘性流体(実在流体)については、主に水理学第二(開水路、管路等)で取り扱うが、水理学第一においても粘性応力・せん断応力の概念と定式化を通して、ナビエストークス式の導出ならびに適用事例(ポアズイユ流れなど)を学習する。水理学第一の後半では、刃型堰の流れや波の流れについて、上述の水理学的概念と原則の適用法のみならず、具体的な実験手法や解析例などを学習する。湖沼や河川、沿岸海洋域における安全かつ健全な環境の維持・管理が求められる中で、水の流れの理解は必須である。本講義において水の流れの基礎原理と基本的現象について理解しておくことで,実環境において複雑多岐な様相を呈する水の流れを理解し,河川や湖沼で生じる流れや環境現象についてさらに深く学ぶ土台を得ることができる。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1.オイラー運動方程式、流線に沿ったベルヌーイの定理(エネルギー保存則)、連続の式(質量保存則)、運動量保存式、ナビエストークス式などの水理学の基礎的な概念と原理について,それらの意味を十分把握し,導出することができる。
2.上記の水理学の基礎的な概念と原理について、実際の水理学的現象(ピトー管、トリチェリ定理、U字管、曲管部に働く力、物体に働く抗力等)に適用することができる。
3.渦なしとして取り扱うことのできる流れ(ポテンシャル流、刃型堰の流れ、波の流れなど)について、速度ポテンシャルや流関数、圧力方程式などの水理学的原則を適用することができる。
4.刃型堰の流れや波の流れについて、上述の水理学的概念と原則の適用法のみならず、具体的な実験や解析手法を適用できる。

キーワード

オイラー運動方程式、流線に沿ったベルヌーイの定理(エネルギー保存則)、連続の式(質量保存則)、運動量保存式、ナビエストークス式、渦なし、ポテンシャル流、刃型堰の流れ、フローネット、水の波、微小振幅波、比エネルギー

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義で取り扱った事柄について適時演習課題を課します。各回の講義各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 水理学における基礎事項+エネルギー保存則(1) 水理学における基礎事項とエネルギー保存則を理解する。
第2回 エネルギー保存則(2) 様々な流れに対するエネルギー保存則(ベルヌーイ式)の適用
第3回 運動量保存則(1) 水の流れにおける運動量保存則を理解する。
第4回 運動量保存則(2) 様々な流れに対する運動量保存則の適用
第5回 運動方程式 水の流れにおける運動方程式(Navier-Stokes方程式など)を理解する。
第6回 運動方程式とエネルギー保存則の関係 水の流れにおける運動方程式とエネルギー保存則の関係を理解する
第7回 ポテンシャル流れ ポテンシャル流れ(渦度等)と適用可能な水の流れを理解する。
第8回 中間試験、前半の復習 前半の講義内容を復習する
第9回 静水圧(1) 静水時における圧力分布を理解する。
第10回 静水圧(2) 様々な物体に働く静水圧を理解する。
第11回 刃型堰を越える流れ(1) フローネットなど刃型堰を越える流れの基礎事項を習得する
第12回 刃型堰を越える流れ(2) 刃型堰を越える流れの実験を行う上での重要事項を習得する(開水路の流れにおける比エネルギー、常流、射流など)
第13回 水の波(1) 波の性質など水の波に関する基礎事項を習得する
第14回 水の波(2) 波の実験を行う上での重要事項を習得する
第15回 期末試験

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

日野幹雄『明解水理学』丸善,ISBN-13: 978-4621027783
土木の基礎固め 水理学 (KS理工学専門書) ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061565722

参考書、講義資料等

池田駿介『詳述 水理学』,技報堂出版,ISBN-13: 978-4765515993

成績評価の基準及び方法

成績評価は、随時行う課題演習(20%)に加え、対面による中間・期末試験(80%)により評価を行う。

関連する科目

  • CVE.B202 : 水理学第二
  • CVE.B311 : 河川工学
  • CVE.B310 : 海岸・海洋工学
  • CVE.G310 : 水環境工学
  • CVE.M201 : 物理数学基礎・演習

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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