土は重要な工学材料の一つであるが,その力学的性状は極めて複雑である。この講義ではそれを理解するために必要な知識のうち特に基本的な部分についての以下のような項目について解説する。
1.地層の形成 2.土の物理化学的性質 3.土の分類法 4.地盤調査法 5.地中の応力(有効応力の原理) 6.土中の水の流れ 7.粘土の圧縮と圧密 8.締め固めた土の性質
人間生活の基盤となる施設(インフラ、ライフライン)の設計・構築・維持管理をするには、地盤に関する深い洞察力と工学的知見が必要である。悠久の時空をつかって自然の営みが造りあげた大地、その力学挙動の特に基本的な部分である(1)土の成因、地層の形成 (2)土の基本的物理量 (3)土の分類法 (4)地盤調査法 (5)地盤内応力 (6)浸透流理論 (7)粘性土の圧縮、圧密理論 (8)土の締固め特性 の修得を目的とする。
土質力学、 土の基本物理量、土質分類、有効応力の原理、地盤透水、圧縮・圧密、 不飽和土、締固め
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
各講義の最後に、講義内容に関連した簡単な小テストを行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 地盤工学における土質力学の位置づけ、地球表層の物質と環境、地盤の形成 | 地盤工学上の問題と土質力学の役割の理解 地盤材料、地質学的な地層の形成過程の理解 |
第2回 | 土の基本物理量 | 土質構成要素(固体、液体、気体)とその構成割合から決まる基本物理量の理解 |
第3回 | 地盤材料の鉱物、その組成と分類法 | 土粒子の鉱物組成、土の工学的分類法の理解 |
第4回 | 土のコンシステンシー、地盤調査法、地盤性状、地盤図 | 粘性土のコンシステンシー、アッターベルグ限界とそれを用いた粘性土の分類法の理解 地盤調査法、実地盤性状の表現法の理解 |
第5回 | 地盤中の応力(有効応力、全応力、間隙水圧)、弾性応力 | 地盤材料の応力と有効応力の原理、弾性理論を用いた応力分布の理解 |
第6回 | 地盤内の水の流れ(水頭、損失水頭、Darcy則) | Understanding Darcy's law which governs the ground water flow in porous media |
第7回 | 地盤内の水の流れ(透水係数の決定、定常流れの基礎方程式、フローネット) | 透水係数の計測法の理解、定常流れの基礎方程式(ラプラス方程式)の誘導、フローネットとその利用法の理解 |
第8回 | 地盤内の水の流れ(境界値問題の解法例、地盤中の応力) | 基礎方程式の解法例(盛土、ダム、井戸周りの水の流れ)の理解、透水力と地中応力の理解 |
第9回 | 土の圧縮特性 | 粘性土の圧縮特性、圧縮現象の理解 |
第10回 | 一次元圧密方程式 | 一次元圧密方程式の誘導の理解と解法例解説 |
第11回 | 圧密試験と圧密沈下計算 | 標準圧密試験法の理解と結果を用いた圧密沈下計算法の理解 |
第12回 | 不飽和土の特性 | 地下水面以浅の土の理解 |
第13回 | 土の締固め特性, プロクターの原理 | 土の締固めとプロクターの原理、その存在理由の理解 |
第14回 | 不飽和土の工学的特性、路盤・盛土・フィルダムの築造 | 締固め土の力学特性と締固め方法、道路構造とその設計法、フィルダム築造法の理解 |
学修効果を上げるために,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
土質力学 第3版 石原 研而(丸善)
配付資料
講義中小テスト(40%), 中間課題(20%)、期末試験(40%)
特になし