本講義では、コンクリートの材料科学的な特徴を解説するとともに、社会インフラの設計や工事に必要となる基礎的な知識を提供する。具体的には、コンクリートの構成材料の種類と特性、フレッシュコンクリートの特性、耐久性を含む硬化コンクリートの特性、配合設計の考え方と標準的な方法、コンクリートの製造・施工に関する基礎的な知識を身に付けさせる。
社会インフラの整備には、さまざまな建設材料が使われているが、その中でももっとも多く使われているのがコンクリートである。コンクリートは、水、セメント、細骨材(砂)、粗骨材(砂利)などからなる複合材料であり、これらの構成材料の特性を理解することは重要である。また、コンクリートが硬化した後だけでなく、まだ固まらない状態(フレッシュ状態)での特性についても十分に理解しておく必要がある。土木技術者には、所要のコンクリートの特性を発揮させるためには、どのような比率で構成材料を練り混ぜる必要があるかを決定できる(配合設計)能力が求められることから、その考え方と標準的な方法を体得して欲しい。
本講義を履修することによって、次の能力を修得する。
1)主要な建設材料であるコンクリートについて、その構成材料の種類と特性を説明できる。
2)フレッシュ時および硬化後のコンクリートの特性を説明できる。
3)基本的なコンクリートの配合設計ができる。
4)コンクリートの製造・施工や耐久性などの実務的な知識を社会インフラの設計や工事の実務に応用できる。
コンクリート,建設材料,配合設計,セメント,骨材,混和材料,フレッシュコンクリート,硬化コンクリート,強度,製造,施工,レディミクストコンクリート,耐久性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
授業計画に沿って、教科書の内容を解説する。必要に応じて、理解度を確認するための演習を行う。授業計画の課題に記載された内容について予習・復習を行うこと。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 建設材料序論 | 教科書の1. |
第2回 | コンクリートとは | 教科書の2. |
第3回 | セメント | 教科書の3.1 |
第4回 | 骨材(1) 物理的特性、含水状態、粒度・粒形 | 教科書の3.3 |
第5回 | 骨材(2) 種類と用途 | 教科書の3.3 |
第6回 | 混和材料 | 教科書の3.4 |
第7回 | フレッシュコンクリート(1) ワーカビリティ、コンシステンシー | 教科書の4. |
第8回 | フレッシュコンクリート(2) スランプ、空気量 | 教科書の4. |
第9回 | 硬化コンクリート(1) 各種強度、変形性能、応力-ひずみ関係 | 教科書の5.2 |
第10回 | 硬化コンクリート(2) クリープ、乾燥収縮 | 教科書の5.3 |
第11回 | 配合設計(1) 基本的な考え方と手順、配合条件 | 教科書の6. |
第12回 | 配合設計(2) 標準的な方法、演習 | 教科書の6. |
第13回 | コンクリートの製造・施工 | 教科書の7.と8. |
第14回 | コンクリートの耐久性(1) 塩害、中性化 | 教科書の9.2と9.3 |
第15回 | コンクリートの耐久性(2) 凍害、化学的腐食、アルカリシリカ反応 | 教科書の9.4と9.5 |
大即信明・宮里心一著,「コンクリート材料」,朝倉書店,ISBN4-254-26501-8
特になし
構成材料の種類と特性、フレッシュ時および硬化後のコンクリートの特性、配合設計の考え方と計算方法に関する理解度を評価する。配点は、授業中に行う演習(20%)、中間試験(40%)、期末試験(40%)とする。
特になし