本講義は公共空間・公共施設のあり方を具体的な事例や素材を使って説明・講義するものである。日本における公共空間は家とその外の通りというように二分されたものであったが西洋においては広場と家が連続して存在している。つまり本来公共的な場所であるはずの通りが「道路」という機能に変換された時点で日本の公共空間はかなり矮小化されてしまった。また公共的な「広場」も1960年代後半に公共の場所を占有する行為を抑制する法が整えられ、その概念も消失したに等しい。本講義ではこうした時代背景にも着目し、日本のみにとどまらず、西洋の広場や公共空間に着目しその可能性を探りながら、これからの公共をともに考える授業でもある。
本講義を履修することによって以下の能力を取得する①20世紀から21世紀にかけての公共空間の変遷を学び「公共」とは何かを改めて考えることが出来る②自分の身の回りにある公共空間に対してどんな背景でそれが出来あがったか考える能力が身につく③都市的な視点でみた場合の広場やランドスケープに対するスケール、素材など具体的な構成要素を理解することができる
ランドスケープ、パブリックスペース、公共建築
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
原則パワーポイント、黒板を使っての講義 全8回中2回をグループワークによる設計、講評、その他2回を各個人で問題設定しプレゼンテーション、残りの4回を講義
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション、都市に開かれた公共建築 | |
第2回 | 欧州の文化的公共空間の役割 | |
第3回 | パブリックアートと建築 | |
第4回 | 都市のアイデンテティ | 「これからの公共空間」についてレポートを提出する |
第5回 | 日本的公共はなぜ生まれたか、住宅からみる公共的アプローチとデザイン | |
第6回 | 近隣住区論とアーバンデザイン 集合住宅からみる公共的アプローチ | |
第7回 | 公共建築、民間建築における“公共性” | |
第8回 | ランドスケープとアーバンデザインの公共的可能性について | 授業を総括した上で小論文試験を行う |
外部空間の設計、コモナリティーズ、パブリック空間の本 などの本を授業で紹介
外部空間の設計、コモナリティーズ、建物の間のアクティビティ、人間の街、その他パブリック空間に関する書籍
個人のプレゼンテーション(30%)、グループワーク(30%)、最終試験 40%
事前に身につけておくべき知識や技術はいらない
柳澤:yanajun[at]contemporaries.jp
石田:ishida[at]kias.co.jp
メールで事前予約すること