本講義では都市居住の問題を取り上げ、日本固有の密集市街地における住環境改善の基本を学ぶ。最初に、19世紀以降発生した住宅問題を整理し、モデル・コミュニティや住宅法など、これに対する具体的なアプローチを解説する。次に、田園都市と田園郊外に代表される、20世紀前半に行われた都市計画と建築の一体的アプローチにより試みられた、様々な実験的住宅地とその形態の展開を学習する。
後半は、現代の住環境を構成する基本的要素と各種指標等、具体的な市街地の住環境の分析方法を学ぶ。最後に、デザインワークショップなど、計画を立案し、実践するための手法を学習する。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)20世紀前半における計画コミュニティの展開について説明できる。
2)戦後の住環境改善の展開について説明できる。
3)東京の市街化と近年の住環境の状況について説明できる。
4)住宅市街地における地域衰退の課題を調査、分析できる。
5)住宅密集市街地における住環境改善の提案ができる。
社会住宅、応能応益住宅、修復型まちづくり、改善型まちづくり
住宅形式、近隣住区、田園都市、近隣コミュニティ、配置形態、市街化
ジェントリフィケーション(高級化)、都市の荒廃、密集市街地、非営利組織
デザインワークショップ
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
1)講義では最初に前回講義の復習を簡単に行う。
2)毎回の授業で出席をとる。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 都市における住環境計画の主題解説 | 住環境計画の主要な論点について説明せよ |
第2回 | 近代における住環境計画の起源 1)19世紀の状況 | 近代都市計画のルーツとされる3つの目標を説明せよ |
第3回 | 近代における住環境計画の起源 2)20世紀前半の状況 | 田園都市のコンセプトとデザインの展開について説明せよ |
第4回 | 現代における住環境計画の展開 1)戦後の出発点 | 近隣住区の考え方と戦後の展開について説明せよ |
第5回 | 現代における住環境計画の展開 2)高度成長期以降の展開 | 1960年以降の住環境改善の流れについて説明せよ |
第6回 | 日本における市街地形成と住環境計画 1)近代の東京と帝都復興事業 | 明治以降の東京の市街地形成と住環境の変化について説明せよ |
第7回 | 日本における市街地形成と住環境計画 2)戦後復興と首都圏計画 | 戦災復興事業と首都圏計画の内容について説明せよ |
第8回 | 日本における市街地形成と住環境計画 3)阪神淡路大震災以降の状況 | 阪神淡路大震災の復興計画と住環境についての論点を説明せよ |
第9回 | 住環境の把握と分析 1)住環境データの解読 | 住環境の分析方法を理解する |
第10回 | 住環境の把握と分析 2)フィールドワーク | 住環境の分析方法を理解する |
第11回 | 住環境の把握と分析 3)住環境の可視化と類型 | 住環境の分析方法を理解する |
第12回 | 住環境のデザイン 1)近隣住環境のデザイン | 近隣住環境の計画手法を見につける |
第13回 | 住環境のデザイン 2)地区住環境のデザイン | 地区住環境の計画手法を見につける |
第14回 | 住環境計画の手法 1)参加の理念と理論 | 参加の理念と理論を理解する |
第15回 | 住環境計画の手法 2)計画プロセスとワークショップ手法 | 一連のワークショップ技術を身につける |
指定なし
1)伊藤雅春、真野洋介他編著 「都市計画とまちづくりが分かる本」 彰国社
2)日本建築学会編 「まちづくり教科書第1巻 まちづくりの方法」 丸善
1)住環境計画の起源と展開についての理解度、その応用と問題解決力を評価
2)配点は中間レポート(40%)と、最終レポート(60%)
履修の条件は特に設けないが、関連する科目を履修していることが望ましい。