ES細胞・iPS細胞や遺伝子編集を使った最先端医療、生殖補助医療技術、生命維持、遺伝子診断、遺伝情報の産業利用など、生命科学技術の目覚ましい発展は、医療・創薬、農林水産・工・情報等の広範な業種におよぶ産業利用、環境、日常生活と、広く社会に多大な影響を及ぼしている。これに伴い、次のような問題が多数生じている。
・生命倫理:人の尊厳や人権に関する問題など
・利用:ヒトゲノム情報、遺伝子や細胞の技術、遺伝資源(微生物や動植物)、利益配分に関わる問題(個人と企業や社会、資源保有国と利用国)など
・制限と保全:遺伝子改変の許容範囲、生物多様性に関わる問題など
これらの問題について、科学者・技術者として、社会との関わりにおいて理解し考察を深めることが必須となっている。複数のテーマに関し、講師が具体例を示し解説したうえで、学生間・講師で議論し、考え方を深め、対応の仕方を学ぶ。
生命倫理・利用・制限と保全に関し、
1.問題点は何かを理解し説明できる。
2.社会との関わり、社会への影響を説明できる。
3.将来的に何が問題となり得るかを考察できる。
4.科学者・技術者として、問題に対する自らの考えを確立し、社会との関わりの中での対応と解決法を提案できる。
ヒトゲノム情報、バイオセキュリティ、遺伝資源、生物多様性
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本授業は集中講義として開催され、1回につき2.5コマの授業を実施する。
毎回、2時限の講義を休憩をはさみ連続して2回行った後、1時限の討論を行う。
すずかけ台B2棟B221講義室、遠隔配信:大岡山南2号館S222講義室受信
2019年10月03日(木) 5-8限+レポート
2019年10月24日(木) 5-8限+レポート
2019年11月28日(木) 5-8限+レポート(講義室変更の可能性あり)
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 「ヒトゲノム情報の性質について(1)」 増井 徹氏(慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センター) ゲノム情報の性質を基盤にして、ゲノム情報の特性と利用の現状について解説し、いくつかの事例について検討し、討論を行う。 | ゲノム情報の性質を基盤にして、ゲノム情報の特性と利用の現状について理解する。 |
第2回 | 「ヒトゲノム情報の性質について(2)」 増井 徹氏(慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センター) ゲノム情報を利用する場合に起こる問題点について解説し、いくつかの事例について検討し、討論を行う。 | ゲノム情報の性質を基盤にして、ゲノム情報利用の問題点について理解し、適切な対応を考える能力を修得する。 |
第3回 | 「遺伝資源・生物多様性の利用と保全」 鈴木 睦昭氏(国立遺伝学研究所 知財室室長) 生物多様性のもたらす遺伝資源、すなわち有用な遺伝子を持つ動植物や微生物の利用は、大きな利益をもたらす。資源提供国と利用国間での利益配分の不公平、生物多様性の危機といった、重要な問題をもたらしている。遺伝資源に関する解説を行い、問題点を検討し、討論を行う。 | 遺伝資源と生物多様性の問題点を理解し、適切な対応を考える能力を修得する。 |
指定しない。
講義資料:ハンドアウトを毎回配布する。
各回でとりあげた生命倫理の諸問題について、科学者・技術者のキャリアプランの視点からの考察を含めたレポートにより評価する (100%)。
特に無し。