数学を行うための言葉として論理(たとえば∀や∃の使い方など)は数学の授業で学びます。本講義では論理自身を数学的に分析し,その能力,限界などを明らかにします。また数学以外の場面(たとえばプログラム検証)で使われる論理,特に様相論理についても説明します。論理は数学やコンピュータサイエンスの根源であり重要な道具でもあります。本講義で論理に対する正しい理解を得てください。
本講義を履修することによって次の能力・知識が修得できます。
(1)論理式でものごとを正確に記述すること。
(2)命題論理と述語論理の意味論・証明論,ゲンツェンの自然演繹,ゲーデルの完全性定理・不完全性定理,論理のコンパクト性,述語論理の決定不可能性,命題論理の決定可能性,論理式の標準形,などの数理論理学の基本結果の正しい理解。
(3)コンピュータサイエンスに登場するさまざな論理,特に様相論理の概要。
命題論理,述語論理,ゲンツェンの自然演繹,ゲーデルの完全性定理,ゲーデルの不完全性定理,様相論理。
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式で進めます。理解の確認のために数回のレポートを出題します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 数学の言葉。論理式。 | 教科書第1章の演習問題 |
第2回 | 自然演繹(1)。導入。 | 教科書第2章の演習問題 |
第3回 | 自然演繹(2)。命題論理。 | 教科書第2章の演習問題 |
第4回 | 自然演繹(3)。述語論理。 | 教科書第2章の演習問題 |
第5回 | 論理式の真偽,恒真,充足可能性。 | 教科書第3章の演習問題 |
第6回 | 自然演繹の健全性。 | 教科書第4章の演習問題 |
第7回 | 自然演繹の完全性(1)。無矛盾集合。 | 教科書第5章の演習問題 |
第8回 | 自然演繹の完全性(2)。極大無矛盾集合。 | 教科書第5章の演習問題 |
第9回 | 自然演繹の完全性(3)。コンパクト性。 | 教科書第5章の演習問題 |
第10回 | 不完全性定理(1)。算術,ゲーデル数,表現可能性。 | 教科書第6章の演習問題 |
第11回 | 不完全性定理(2):第1不完全性定理,算術や論理の決定不可能性など。 | 教科書第6章の演習問題 |
第12回 | 命題論理の論理式の標準形など。 | 教科書第7章の演習問題 |
第13回 | 様相論理(1)。クリプキモデルとK, S4, S5 など。 | 授業時に指示する |
第14回 | 様相論理(2)。時間論理LTL, CTLなど。 | 授業時に指示する |
第15回 | まとめと補足。 | 授業時に指示する |
鹿島亮 『数理論理学』 朝倉書店 (ISBN: 978-4-254-11765-3)。第13,14回分はOCW-i にアップします。
授業時に指示する。
期末試験(80%), レポート(20%)。
特になし。