数理・計算科学において,集合と位相は基本的な枠組みとして重要な役割を果たしている.本講義の目的は,第一クォータに開講される「集合と位相第一」で教授される集合に関する知識を元に,位相についての基礎的な事項を解説し,受講者が位相を数理・計算科学に応用するための基礎を築くことである.
受講者は,数理・計算科学に登場する位相構造を扱う数学的手法の基礎を理解し,それらを具体的な問題に応用できるようになる.
位相,位相空間,近傍,連続,ハウスドルフ空間,分離公理,連結,コンパクト,完備
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
位相空間論の基本的な事項を講義する.なお,受講者は本講義の教授内容に関する演習を行う「集合と位相第二演習」を同時に受講することを強く推奨する.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ユークリッド空間 | 講義の内容を理解する. |
第2回 | 距離空間と位相空間 | 講義の内容を理解する. |
第3回 | 基と近傍系 | 講義の内容を理解する. |
第4回 | 連続写像 | 講義の内容を理解する. |
第5回 | 誘導位相 | 講義の内容を理解する. |
第6回 | 直積位相 | 講義の内容を理解する. |
第7回 | ハウスドルフ空間 | 講義の内容を理解する. |
第8回 | 第7回までの内容の復習と中間試験 | 前半の講義内容を復習した上で理解度を確認する, |
第9回 | 正則空間と正規空間 | 講義の内容を理解する. |
第10回 | 分離公理と連続写像 | 講義の内容を理解する. |
第11回 | 連結性 | 講義の内容を理解する. |
第12回 | コンパクト性 | 講義の内容を理解する. |
第13回 | コンパクト空間の性質 | 講義の内容を理解する. |
第14回 | 距離空間の完備性 | 講義の内容を理解する. |
第15回 | 距離空間の完備化 | 講義の内容を理解する. |
森田茂之著:集合と位相空間,朝倉書店
特になし.
中間試験および期末試験の成績で評価する.また「集合と位相第二演習」受講者は,その成績を加味する.詳細は最初の講義の際に周知する.
「集合と位相第一」および「集合と位相第一演習」を履修していることが望ましい.また「集合と位相第二演習」を同時に受講することが極めて望ましい.