研究者・技術者が行う活動は社会から信頼されるものでなければ社会的認知を得ることができない。研究者・技術者が信頼されるには、関係する法を遵守するだけではなく、研究者・技術者としてのあるべき姿を正しく理解し、将来にわたって公衆や環境に配慮して行動する必要がある。本講義では、研究者・技術者として身に備えるべき倫理について講述する。
研究者・技術者として必要な倫理観を身につけると共に、倫理問題の解決法を理解し、社会に受け入れられる行動について考えられるようになる。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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16年間、医薬品原薬・半導体関係電子材料薬品のメーカーにて研究・開発品の量産化の製造現場に従事した。うち8年間工場長という職位で研究者と技術者の間に立ち、組織の中のトレードオフの関係の解決にあたる。2019年に化学工場専門のコンサルタントとして独立し、クライアントの抱える問題、特に人に関する問題の解決策の実行支援を行っている。実務経験にもとづき、研究者倫理、技術者倫理について説明する。 |
研究者倫理、技術者倫理、倫理観、デュアルユース問題、不正の未然防止、自律的な管理、事例研究
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講述を中心に進める
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 研究者倫理・技術者倫理とは | 研究者・技術者にとって、専門家としての倫理が必要であることを理解する。 |
第2回 | 研究者・技術者の責任 | デュアルユース問題を例に、研究者・技術者の責任とはどういうものか理解する。 |
第3回 | 研究者・技術者としての資質 | 最近の研究不正、企業の不祥事を例に、正直であることが研究者・技術者にとって最重要であることを理解する。 |
第4回 | 組織の中の研究者・技術者、組織の責任 | 組織の中での研究者・技術者の立場について理解すると共に、組織の責任について考える。 利益相反が生じた時に取るべき行動について考える。 |
第5回 | 倫理問題の解決法 | 功利主義、決疑論など伝統的な倫理問題解決法を理解し、研究者・技術者に関する倫理問題の解決にも応用できることを理解する。 |
第6回 | グループ討論 | 事例研究を通じて個々人の問題と組織の問題の違いを捉え、不正防止から未然防止への組織運営の基礎を理解する。グループの中でのとるべき行動を理解する。 |
第7回 | 化学物質管理の国際的潮流 | 職場の労働災害、化学物質の自律的な管理、リスクアセスメントを通して、国際化の中で生きる研究者・技術者としてのあるべき姿について理解する。 |
第8回 | テスト・アンケート |
なし
日本学術振興会 科学の健全な発展のために, 丸善出版株式会社, (2015)
中村昌允 技術者倫理とリスクマネジメント, オーム社, (2012)
講義中に課す小論文(60%)、試験(20%)、及びグループディスカッションでの貢献度(20%)による
特になし