応用化学分野では,高温・高圧そして腐食性の高いプロセス流体を扱って化学製品を生産しており,プラントの建設,装置の設計,そしてこれらの保守保全を必要とする.プロセス全体を把握しつつ,これらの特殊な条件で運転するプラントの設計論を理解したうえで,装置設計を行うだけでなく,装置の受け入れ,維持管理を行う人材が必要となる.このような考え方を実際のプラントで起きる装置材料に関するトピックスとともに講義し,特に演習と課題により理解し,身に付けるものとする.
【到達目標】 本講義を履修することによって,高温・低温,および高圧・負圧または腐食性薬液を扱う化学装置を設計するために必要な,塑性領域を含む材料力学を理解し,熱応力や破壊力学の考え方を学ぶ.これに基づいて,厚肉円筒容器等の設計法,部分降伏の考え方,時間依存破壊の考え方を理解し,腐食対策,メンテナンスに必要な考え方を身につける,さらに化学プラント用材料の様々なトピックスを通じて,実際の化学装置の設計,製作あるいは保守保全を管理していくための考え方を身に付けることを目標とします。
【テーマ】 本講義では,特殊な条件で運転する化学装置の設計に対する考え方を理解するとともに,装置の劣化事例を把握し,実際の現場でこれら装置を管理していく能力を身につけます。
弾塑性体,厚肉容器,中空球,外圧容器,熱応力,部分降伏,多層円筒,クリープ設計,時間依存型破壊,破壊力学,腐食,メンテナンス,劣化事例,ステンレス鋼,熱交換器,材料選定,寿命予測,非金属材料
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
材料力学および設計論においては各講義の70%~80%を内容についての解説に充てる.講義内容の確実な理解と応用力を養うために,講義内容に関連した演習問題を出題する.
トピックスについては,各講義で劣化事例などについての説明を行い,理解を深めるため講義内容に関連したレポートを出題する.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 材料力学1;弾塑性体の力学 | 力学演習1;Boardman式他 |
第2回 | 設計論1;厚肉円筒容器の設計 | 設計演習1;圧肉円筒設計計算 |
第3回 | 設計論2;中空球,外圧容器の設計 | 設計演習2;球形容器、外圧容器設計計算 |
第4回 | 材料力学2;熱応力 | 力学演習2;熱応力計算 |
第5回 | 設計論3;部分降伏と多層円筒の設計 | 設計演習3;多層円筒設計計算 |
第6回 | 設計論4;クリープ設計と時間依存型破壊 | 設計演習4;応力緩和式の導出 |
第7回 | 材料力学3;破壊力学 | 力学演習3;破壊力学計算 |
第8回 | 設計論5;腐食工学 | 設計演習5;腐食速度計算 |
第9回 | 設計論6;メンテナンス工学 | 設計演習6;ベイズ解析 |
第10回 | 装置材料トピックス1;化学プラントにおける劣化事例 | |
第11回 | 装置材料トピックス2;ステンレス鋼の耐食性 | |
第12回 | 装置材料トピックス3;熱交換器の劣化事例 | |
第13回 | 装置材料トピックス4;石油・ガスプラントにおける材料選択 | |
第14回 | 装置材料トピックス5;化学装置の寿命予測 | |
第15回 | 装置材料トピックス6;非金属材料の化学プラントへの適用と劣化 | レポート |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
テキストは担当教員によるOCWにアップする資料を用いる
該当なし
材料力学,設計論の理解度を演習と宿題で,化学装置設計の実際をレポートにより評価する
特になし
kubouchi.m.aa[at]