科学者・技術者が行う活動は社会から信頼されるものでなければ社会的認知を得ることができない。科学者・技術者が信頼されるには、関係する法を遵守するだけではなく、科学者・技術者としてのあるべき姿を正しく理解し、将来にわたって公衆や環境に配慮して行動する必要がある。本講義では、科学者・技術者として身に備えるべき倫理について講述する。
科学者・技術者として必要な倫理観を身につけると共に、倫理問題の解決法を理解し、社会に受け入れられる行動について考えられるようになる。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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20年間NTTの研究所で情報処理関連の研究・開発に従事した。18年間NTT事業部門、NTTコミュニケーションズ、NTTアドバンステクノロジで情報通信システム開発に従事した。NTT在職中から技術士として、ICTシステムのコンサルを行っている。実務経験にもとづき、技術者倫理、研究者倫理について説明する。 |
応用倫理学、研究開発の倫理、技術者倫理、倫理観
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講述を中心に進める
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 科学技術者倫理とは | 専門家としての科学技術者にとって倫理が必要であることを理解する。 |
第2回 | 科学技術者の責任 | 科学技術者の責任とはどういうものか理解する。 |
第3回 | 科学技術者としての資質 | 正直であることが科学技術者にとって最重要であることを理解する。 |
第4回 | 組織の中の科学技術者,組織の責任 | 組織の中での科学技術者の立場について理解すると共に、組織の責任について考える。 利益相反がが生じた時に取るべき行動について考える。 |
第5回 | 倫理問題の解決法 | 功利主義、決疑論など伝統的な倫理問題解決法を理解し、科学技術に関する倫理問題の解決にも応用できることを理解する。 |
第6回 | グループ討論 | 事例研究を通じてグループメンバの意見の違いに気付き、グループの中でのとるべき行動について理解する。 |
第7回 | 環境保護、財産的権利、国際性 | 環境保護のための持続性の重要性を認識する。組織の責任について理解する。 特許とノウハウの違いについて理解する。国際化の中での注意点を理解する。 |
なし
Harris,C.E. et al. Engineering Ethics Concepts and Cases, Wadsworth, 2014.
Broad, W. and Wade, N. Betrayers of the Future Fraud and Deceit in the Halls of Science, Simon and Shuster, 1982
(牧野賢治訳 背信の科学者たち -論文捏造はなぜ繰り返されるのか?, 講談社, 2014).
講義中に課す小論文(60%)、試験(20%)、及びグループディスカッションでの貢献度(20%)による
特になし