[概要] 本講義では、物質の基礎的性質と反応性を原子・分子レベルで理解し、有用な物質の設計および変換に関する高度な化学技術システムおよび、その活用を修得した化学者を養成するため、応用化学分野の最前線で活躍する研究者が、基礎から応用までの研究成果を紹介する。
[ねらい] 応用化学分野の最前線で活躍する研究者の基礎から応用までの研究に関する幅広い知識を修得することを目標とする。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1) 物質の基礎的性質と反応性を原子・分子レベルで説明できる。
(2) 有用な物質の設計および変換に関する高度な化学技術システムを説明できる。
(3) 高分子やナノカーボンの機能性材料に関する、基礎から応用研究までの幅広い知識を説明できる。
基礎的性質、原子・分子、物質、化学技術、応用化学、高分子、相分離、接着技術、カーボンナノチューブ、グラフェン、スパッタ法、化学気相成長法、電気化学バイオセンサー
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
2名の講師がそれぞれ2日間の集中講義を行う。
前半(対面による講義):
市川 功 講師 「相分離構造を利用した高分子材料の機能化と応用」
後半(Zoomによる講義):
杉目 恒志 講師 「ナノカーボン材料の制御合成と電気化学バイオセンサー応用」
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 1. 相分離構造を利用した高分子材料の機能化と応用(市川 功 講師) 1つの組成物では成し得ない機能について、異種材料をブレンドし、且つ、相分離を起こさせる技術が活用される。本講義では、この高分子材料の設計技術として重要となる相分離現象および構造の特徴について説明し、その定量化手法としての局所形態観察法および種々画像解析法を紹介する。加えて、幾つかの研究事例を用いて、相分離構造が、どの様に材料の機能性発現に寄与するかを講義する。 1-1. 製造業における高分子材料の設計概念 1-2. 高分子材料の評価解析技術および設計技術動向 1-3. 相分離現象 1-4. 相分離現象を利用した材料設計の技術動向 1-5. 粘着テープの相分離による粘着力制御 1-6. メソゲン骨格を有する組成物を用いたエポキシ樹脂配合物の相構造と接着物性 1-7. アクリル共重合体/エポキシ混合系材料の相分離構造評価と接着特性 1-8. 相分離構造を利用した多孔質炭素フィルムの創製 2. ナノカーボン材料の制御合成と電気化学バイオセンサー応用(杉目 恒志 講師) ナノカーボン材料は高い導電性や大きな比表面積など優れた物性を有し、次世代技術において様々な応用が期待されている。本講義では化学気相成長法によるカーボンナノチューブとグラフェンの成長の事例をもとに、平衡論や速度論の観点から触媒設計と成長メカニズムについて紹介する。応用の事例ではカーボンナノチューブを用いた電気化学バイオセンサーを例に、ナノ材料合成におけるプロセス・構造・機能の関係を講義する。 2-1. スパッタ法と化学気相成長法によるナノカーボン材料の合成 2-2. 高密度カーボンナノチューブフォレストの低温成長メカニズム 2-3. グラフェンの低温成長メカニズム 2-4. 高密度カーボンナノチューブフォレスト電極を用いた電気化学バイオセンサー 2-5. 長尺カーボンナノチューブフォレストの成長メカニズム 2-6. 長尺カーボンナノチューブフォレストの電気化学応用 | (1) 高分子の相分離現象および構造の特徴について説明できる。 (2) 相分離構造を持つ高分子材料の特性と応用について説明できる。 (3) ドライプロセスによるナノカーボンの成長メカニズムについて説明できる。 (4) ナノカーボン材料の特性と応用について説明できる。 |
指定無し
配布資料は有り
全授業出席を原則とし、毎回の授業で出席確認をする。成績評価は、講義中の演習またはレポートにより行う。
履修の条件は設けない。
開講日時
第一回:1/18(木) 15:25–17:05 (リンテック株式会社 市川先生)
第二回:1/24(水) 13:30–17:05 (リンテック株式会社 市川先生)
第三回:1/31(水) 13:30–17:05 (近畿大学 杉目先生)
第四回: 2/1(木) 13:30–15:10 (近畿大学 杉目先生)
※詳細は連絡教員から連絡します。