計算モデルは、機械的特性、光学的特性、電子/イオン輸送など、物質の特性や物理現象のメカニズムを理解する上で重要な役割を果たしています。さらに太陽電池からジェットエンジンに及ぶ様々な機能性材料の予測/事前スクリーニングにおいても重要性が増しています。計算材料化学は、原子配列や電子構造の結果として発現する、大半の光学特性や化学反応など、特性や現象のモデリングについて取り扱う学問です。本講義では計算化学手法の基礎と、計算化学手法を物質のモデリングへと適用する手法を学びます。
本講義を履修することで、以下の能力を習得します。
1)原子論的な物質の形成から物質の構造と特性の関係を理解できる。
2)第一原理的に材料の構造と特性を計算する原理と手法を理解できる。
3)分子動力学(molecular dynamics) と 密度汎関数理論 (density functional theory) の基礎とそれらの応用範囲を理解できる。
密度汎関数理論、分子動力学、機能性材料、材料物性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義、教員による計算の実演、対話型クイズ
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 計算化学、計算材料科学の基礎 | 計算化学、計算材料科学の基本を説明できる。 計算化学レベルのシミュレーションが必要になる材料特性又は現象について説明できる。 |
第2回 | 材料計算に必要な固体物理の基礎知識 | 材料計算を行ない結果を理解する上で必要不可欠な固体物理の基礎を説明できる。 |
第3回 | 密度汎関数法とは | 密度汎関数法の原理を理解し、どのように材料の物性が計算されているかを説明できる。 |
第4回 | 密度汎関数法を用いた固体材料の計算 | 密度汎関数法で得られた様々な固体材料の構造・磁気・電子状態について説明できる。 |
第5回 | 分子動力学の基礎 | 分子動力学(MD)と力場中で計算できる特性の説明ができる。第一原理と力場を用いるMDの説明ができる。力場と MD で使用される主要な近似とパラメータを説明できる。 |
第6回 | 固体材料ための分子動力学 | 実際のアプリケーション例を用いた固体材料の特性と、現象のシミュレーションための力場についての説明ができる。 |
第7回 | 大規模な計算手法とデータ駆動型の材料シミュレーション | DFTB や Orbital-free DFT などの大規模手法の簡単な紹介、材料インフォマティクスの基礎、材料特の予測、計算手法の改善ためデータ駆動型手法の導入について理解できる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
D.S.ショール 「密度汎関数理論入門: 理論とその応用 単行本 –」吉岡書店 ISBN-13 978-4842703657
常田 貴夫 (著) 「密度汎関数法の基礎 (KS物理専門書) 単行本」講談社 ISBN-13 978-4061532809
長岡 正隆 「すぐできる分子シミュレーションビギナーズマニュアル」講談社 ISBN-13 978-4061543560
D.S.ショール 「密度汎関数理論入門: 理論とその応用 単行本 –」吉岡書店 ISBN-13 978-4842703657
常田 貴夫 (著) 「密度汎関数法の基礎 (KS物理専門書) 単行本」講談社 ISBN-13 978-4061532809
長岡 正隆 「すぐできる分子シミュレーションビギナーズマニュアル」講談社 ISBN-13 978-4061543560
コンピューター演習の要素を含む小テスト: 50%
最終試験:50%。
特になし
吉松公平: 電話番号: 03-5734-2127, E-mail: yoshimatsu.k.aa[at]m.titech.ac.jp *メールによる連絡を推奨する。
Sergei Mazhos: 電話番号: 03-5734-3918, E-mail: manzhos.s.aa[at]m.titech.ac.jp *Contact by e-mail is recommended.
吉松公平: 平日(要事前連絡)
Sergei Mazhos: 平日(要事前連絡)
2024年度に初めて開講される講義につき、授業計画と実際の講義内容が異なる場合があります。