[講義の概要]本講義では、アルデヒドとケトンの基本的な反応である求核付加反応について学びます。続いて、カルボン酸とニトリルを取り上げ、酸性度の考え方を身につけながら、その合成法や求核アシル置換反応によって合成されるカルボン酸誘導体の化学を学びます。さらに、互変異性をもとにしてカルボニル化合物のα置換反応を学びます。
[講義のねらい] この講義では、カルボニル基の性質を利用して非常に多くの有用な化合物が合成できることを学びます。また、有機反応を説明するための考え方(有機電子論)の基本を身につけます。
本講義を履修することによって次の能力を習得する。
(1)アルデヒドとケトンの性質を理解し、求核付加反応を機構を示しながら説明できるようになる。
(2)酸性度に関する知識に基づいて、カルボン酸とニトリルの合成と反応を説明できるようになる。
(3)求核アシル置換反応を理解し、カルボン酸誘導体の合成と反応を説明できるようになる。
(4)カルボニル化合物の互変異性をもとにしてα置換反応を説明できるようになる。
カルボニル基、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、ニトリル、ハロゲン化アシル、酸無水物、エステル、アミド、求核付加反応、求核アシル置換反応、α置換反応、互変異性、エノラートイオン
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本講義は、(1)アルデヒド・ケトンと求核付加反応、(2)カルボン酸・ニトリルと酸性度、(3)カルボン酸誘導体と求核アシル置換反応、(4)カルボニルα置換反応、の順番で進める。そして最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | アルデヒドとケトン:求核付加反応、保護・脱保護 | アルデヒドとケトンへの求核付加反応と保護・脱保護を説明できるようになる。 |
第2回 | アルデヒドとケトン:共役付加 カルボン酸とニトリル:酸性度・合成・反応 | カルボニル化合物の共役付加反応を説明できるようになる。 カルボン酸の酸性度と合成及び反応を説明できるようになる。 |
第3回 | ニトリル:合成と反応 カルボン酸誘導体:合成 | ニトリルの合成と反応を説明できるようになる。 カルボン酸からカルボン酸誘導体の合成をせつめいできるようになる。 |
第4回 | カルボン酸誘導体:求核アシル置換反応 | 求核アシル置換反応を説明できようになる。 |
第5回 | カルボニルα置換反応:ケト-エノール互変異性、エノラートイオン | カルボニル化合物のケト-エノール互変異性を説明できるようできようになる。エノラートイオンの生成について説明できるようになる。 |
第6回 | カルボニルα置換反応:エノラートイオンのアルキル化 | エノラートイオンのアルキル化について説明できる。 |
第7回 | 理解度確認のための演習と解説 | 第1~6回の講義内容を正確に理解し、演習問 題に解答できる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
マクマリー有機化学(中)第9版 ISBN 9784807909131
(東京化学同人)
マクマリー有機化学 問題の解き方 第9版 ISBN 9784807909155
(英語版)(東京化学同人)
理解度確認のための演習(60-85%程度)、授業参加度(15-40%程度)(授業参加度は授業での討論、小テストなどにより算出する)
履修の条件は設けないが、有機化学第1(アルカン・アルケン・アルキン)、有機化学第2(C-X)、有機化学第3(ベンゼン・C-O)を履修していることが望ましい。
ishizone.t.aa[at]m.titech.ac.jp(石曽根 隆)
ito.s.ao[at]m.titech.ac.jp(伊藤繁和)
メールで事前予約すること.