本講義では,有機化学分野と物理化学分野の演習を行うことで、高分子科学に関わる基礎的知識の理解を深めます。有機化学分野としては、「有機化学第六」の講義に関連した演習によって理解を深めます。具体的には、アミンと複素環およびペリ環状反応についての演習を行います。物理化学分野では、まず純物質の相転移と混合物の性質についての演習を行います。高分子の特性解析、構造と物性に関係する物理化学の演習を行います。ゴム弾性の理解をとおして、熱力学・統計力学の使い方を学んだあと、熱力学・統計力学の重要な事項について問題を解き、理解を深めます。
この講義では、演習を通して応用化学の基礎科目としての有機化学・物理化学についての理解を深めることを目的としています。
本講義では、有機化学分野としてはアミンと複素環およびペリ環状反応についての基礎的知識を理解し、議論できる能力を、物理化学分野では、まず純物質の相転移と混合物の性質についての基礎的知識を習得した後、熱力学、統計力学を駆使して高分子の物性を理解し、議論できる能力を身につける。
アミン、複素環化合物、ペリ環状反応、相転移、転移温度、相図、熱力学、混合物、高分子、分子量、溶液、構造、物性、熱力学第一・二法則、ギブスエネルギー、エンタルピー、エントロピー、分配関数、ゴム弾性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
本講義では、有機化学分野としてはアミンと複素環およびペリ環状反応についての基礎的知識に関する演習を毎回行う。物理化学分野としては、純物質の相転移、混合物の性質、高分子の特性解析、高分子の構造と物性、ゴム弾性の熱力学、高分子と熱力学第一,第二法則、高分子統計力学に関する演習を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 純物質の相転移 | 蒸発や融解といった純物質の相転移を熱力学的に論じられるようになる。 |
第2回 | 混合物の性質 | 溶液などの混合物の性質を熱力学的に論じられるようになる。 |
第3回 | 高分子の特性解析 | 高分子物質に特徴的な平均分子量や分子量分布を求められるようになる。 |
第4回 | ゴム弾性の熱力学 | 高分子物質に特徴的な力学的性質であるゴム弾性を熱力学的に論じられるようになる. |
第5回 | 高分子と熱力学第一,第二法則 | エネルギー保存の原理,エンタルピーを用いて,高分子に関わるいろいろな物理変化や化学変化でのエネルギー変化を求められる. エントロピー,ギブスエネルギーを用いて,高分子に関わる物理的・化学的変化の自発性を定量的に論じられるようになる. |
第6回 | 高分子統計力学 | ボルツマン分布,分配関数を⽤いて,状態の分布,熱⼒学的諸量を求められるようになる.統計力学に基づき,ゴム弾性を論じられる |
第7回 | アミンと複素環およびペリ環状反応 | アミンと複素環の合成と反応、およびペリ環状反応についての理解を深める. |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習課題と復習をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと.
マクマリー有機化学(中)第9版(東京化学同人)ISBN:9784807909131、マクマリー有機化学(下)第9版(東京化学同人)ISBN: 9784807909148、アトキンス 物理化学(上・下) 第8版または第10版(東京化学同人)基礎高分子科学 第2版 ISBN: 9784807909629
マクマリー有機化学 問題の解き方(第9版)英語版(東京化学同人)ISBN: 9784807909155、基礎高分子科学(東京化学同人)ISBN: 9784807906352、高分子の化学(三共出版)ISBN: 9784782705445
理解度確認のための演習(85%)、授業参加度(15%)
履修の条件は設けないが、有機化学第一(アルカン)(応用化学) A、有機化学第二(アルケン) A、有機化学第三(芳香族) B 、有機化学第四(求核置換反応) A 、有機化学第五(カルボニル化合物) A 、 物理化学第一(熱力学法則)、高分子統計力学を履修していることが望ましい。
石曽根 隆: tishizon[at]polymer.titech.ac.jp、久保 智弘: kubo[at]mac.titech.ac.jp、石毛 亮平: ishige.r.aa[at]m.titech.ac.jp、戸木田雅利: tokita.m.aa[at]polymer.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。
応化系で高分子フォーカス以外,ないし他系に所属する受講希望学生は,6/9(金)までに石毛まで連絡をください.演習形式の講義のため,採点の都合上,受講人数を制限する場合があります.