2023年度 応用化学実験第二 a/b   Chemical Engineering and Industrial Chemistry Laboratory II a/b

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
応用化学系
担当教員名
石曽根 隆  髙尾 俊郎  村橋 哲郎  大塚 英幸  大友 明  大河内 美奈  久保内 昌敏  伊原 学  中薗 和子  重田 翼  田中 裕也  一二三 遼祐  高橋 明  相沢 美帆  本間 千裕  相馬 拓人  菅原 勇貴  宮地 輝光  齊藤 彰吾  田中 祐圭  亀田 恵佑  KURNIAWAN WINARTO 
授業形態
   (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木5-8(W4-201,301実験室)  金5-8(W4-201,301実験室)  
クラス
-
科目コード
CAP.F203
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2023年9月22日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

[実験の概要] 本実験では、応用化学実験第一a/bならびに応用化学実験第一b/aを履修してきた学生を対象に、化学実験の基本操作を教授し、有機化学、無機化学、分析化学、物理化学に対する理解と実験操作の技量を養う。実践的な化学工業教育の観点から6つのテーマを設定し、応用科学実験第二a/bと応用科学実験第二b/aを通して学ぶ。「1. アルデヒド・ケトンの判別と求核付加反応」では、代表的な有機金属化合物であるGrignard試薬を用いた反応を学ぶ。「2. ε-カプロラクタムの合成と開環重合」では代表的な合成繊維であるナイロンの製法を学ぶ。「3. アゾ染料の合成と分光分析」では、代表的な合成染料であるアゾ染料の合成と分光分析および繊維の染色について学ぶ。「4. フェライトの合成と組成分析」では、本学で発明され今日でも先端材料として研究されている磁性材料の合成と磁気記録について習得する。「5. 均一触媒反応」では、過酸化水素の分解反応の速度を測定と解析を行い、反応速度論の基礎的事項を身につける。「6. 電気伝導度の測定」では、溶液中の電解質の解離度とイオン独立移動の法則について学ぶ。

[実験のねらい] 基礎化学と物質社会のつながりを理解するには、実際に実験を通じて得られた結果を深く考察することが必須である。それには、実験の原理を理解した上で基本操作を確実に習得し、安全に配慮して実験に臨まなければならない。本実験では、まずガイダンスで実施テーマに関する実験の基本事項の要点を学ぶ。その後、3つのテーマ(1, 2, および 5 または 6)を実施しながら基本操作を実践する。テーマ毎に実験レポートを作成し、基本的概念および実験や機器分析の原理などの基礎知識の習得と実践的な思考力を養う。

到達目標

本実験を履修することによって、
(1) 基礎的な実験操作を各テーマの実験目的に応じて適用できる。
(2) 実験の手順や結果、および考察について一般的な実験レポートの形にまとめることができる。
(3) 各テーマに関係した基本概念や測定原理およびその応用について説明できる。
(4) 実験に関する系統的な知識を習得し、安全で生産的な化学実験計画を立案できる。

キーワード

(テーマ1:アルデヒド・ケトンの判別と求核付加反応)求核付加、還元、官能基判別、有機金属化学、ガスクロマトグラフィー
(テーマ2:ε-カプロラクタムの合成と開環重合)オキシム化、ベックマン転位、再結晶、開環重合、6-ナイロン

(テーマ5:均一触媒反応)反応速度論、均一触媒反応、速度定数、反応次数、アレニウスの式
(テーマ6:電気伝導度の測定)イオン伝導、導電率、電解質、コールラウシュの法則、化学平衡

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

本実験では、まず全ての実験の概要について説明を行います。その後、4グループに分かれて、3Qでは テーマ1:アルデヒド・ケトンの判別と求核置換反応、テーマ2:ε-カプロラクタムの合成と開環重合、およびテーマ5:均一触媒反応 または テーマ6:電気伝導度の測定 の実験をグループ分けに従って順番に進めます。最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施します。テーマ3および4は4Qの応用化学実験第二b/aにて行います。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 実験概要および実験準備についての説明 実験の概要と基本操作を理解し、予め実験計画をたてることができる。
第2回 基本操作の説明と演示実験 実験の基本操作を理解し、実験準備ができる。
第3回 アルデヒド・ケトンの判別と求核付加反応①:カルボニル官能基の判別 カルボニル官能基を同定できるようになる。
第4回 アルデヒド・ケトンの判別と求核付加反応②:求核付加反応・還元 ヒドリド試薬によるアルコールの合成ができるようになる。
第5回 アルデヒド・ケトンの判別と求核付加反応③:減圧蒸留・化合物分析 減圧蒸留による単離精製と合成物の分析ができるようになる。
第6回 アルデヒド・ケトンの判別と求核付加反応④:求核付加反応・有機金属化学序論 Grignard試薬によるアルコールの合成ができるようになる。
第7回 ε-カプロラクタムの合成と開環重合①:求核付加反応 カルボニル化合物からオキシムの合成ができるようになる。
第8回 ε-カプロラクタムの合成と開環重合②:転位反応 オキシムのベックマン転位によってアミドの合成ができるようになる。
第9回 ε-カプロラクタムの合成と開環重合③:再結晶 モノマーを再結晶により精製できる。
第10回 ε-カプロラクタムの合成と開環重合④:開環重合 開環重合によりナイロン6を合成できる。
第11回 Group A - 均一触媒反応①:反応速度の測定法および溶液の調製 Group B - 電気伝導度の測定①:測定法の解説と測定回路の組み立て Group A - 均一触媒反応① :過酸化水素溶液を過マンガン酸カリウム溶液により滴定 できる。 Group B - 電気伝導度の測定① : ブリッジ回路の組み方とセル定数について理解し、習得する。
第12回 Group A - 均一触媒反応②:過酸化水素の分解反応 Group B - 電気伝導度の測定②:強電解質溶液における無限希釈モル伝導度の測定 Group A - 均一触媒反応② :均一系でのヨウ化カリウムを触媒とする過酸化水素の分解反応機構と速度式の関係、触媒の役割を理解する。 Group B - 電気伝導度の測定② : 電気抵抗率を高精度に取得する方法を理解し、修得する。
第13回 Group A - 均一触媒反応③:過酸化水素の分解反応(温度の影響) Group B - 電気伝導度の測定③:イオン独立移動の法則による無限希釈モル伝導度の考察 Group A - 均一触媒反応③:均一系でのヨウ化カリウムを触媒とする過酸化水素分解反応速度について、温度変化の効果を明らかにすることができる。 Group B - 電気伝導度の測定③ : 無限希釈モル導電率の測定手法を修得し、イオン独立移動の法則を理解することができる。
第14回 Group A - 均一触媒反応④:実験データの解析および考察 Group B - 電気伝導度の測定④:弱電解質溶液の導電率測定 Group A - 均一触媒反応④ :実験結果に基づき、過酸化水素の反応速度を解析することができる。 Group B - 電気伝導度の測定④ : 弱電解質の解離度について理解し、修得する。
第15回 まとめ理解度確認のための演習と解説 演習により総合的な理解度を高め,到達度を自己評価する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね50分を目安に行うこと。

教科書

テキスト『応用化学実験第二 2023年度』応用化学実験委員会編 は生協で販売する。

参考書、講義資料等

化学同人編集部著 『続 実験を安全に行うために―基本操作・基本測定編―』 第4版(化学同人)ISBN: 978-4-7598-1834-5

成績評価の基準及び方法

全出席および全実験履修が原則.予習状況を含む実験の取り組み態度,実験レポート提出状況と採点結果により成績を評価する.遅刻や提出遅れを繰り返した場合は不合格とすることがある.

関連する科目

  • CAP.O201 : 有機化学第1(アルカン・アルケン・アルキン)
  • CAP.O202 : 有機化学第2(C-X)
  • CAP.O203 : 有機化学第3(ベンゼン・C-O)
  • CAP.O204 : 有機化学第4(C=O・C≡N)
  • CAP.O301 : 合成有機化学(C=O置換・縮合・C-N・環状反応)
  • CAP.Y203 : 高分子合成2(連鎖重合)
  • CAP.N202 : 無機化学2(構造・反応)
  • CAP.O301 : 合成有機化学(C=O置換・縮合・C-N・環状反応)
  • CAP.H301 : 電気化学1(基礎)
  • CAP.H302 : 電気化学2(応用)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

この科目は,「応用化学実験第二b/a」の「履修前提科目」である。

応用化学実験第一a/b(CAP.B201.R または CAP.F201)と応用化学実験第一b/a(CAP.B202.R または CAP.F204)を履修しているか、それと同等の知識を有していること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

(責任教員)石曽根 隆: ishizone.t.aa[at]m.titech.ac.jp
(副責任教員)高尾 俊郎: takao.t.aa[at]m.titech.ac.jp
(テーマ担当教員・指導教員)
テーマ1:
村橋 哲郎: murahashi.t.aa[at]m.titech.ac.jp
重田 翼: omoda.t.aa[at]m.titech.ac.jp
田中 裕也: tanaka.y.an[at]m.titech.ac.jp
テーマ2:
大塚 英幸: otsuka.h.ab[at]m.titech.ac.jp
一二三 遼祐: hifumi.r.aa[at]m.titech.ac.jp
高橋 明: takahashi.a.ap[at]m.titech.ac.jp
テーマ3:
石曽根隆:ishizone.t.aa[at]m.titech.ac.jp
相沢 美帆:aizawa.m.af[at]m.titech.ac.jp
本間 千裕 : homma.c.aa[at]m.titech.ac.jp
テーマ4:
大友 明 : ohtomo.a.aa[at]m.titech.ac.jp
相馬 拓人:soma.t.ab[at]m.titech.ac.jp
菅原 勇貴:sugawara.y.aa[at]m.titech.ac.jp
テーマ5:
大河内美奈:okochi[at]chemeng.titech.ac.jp
宮地 輝光:miyaji.a.aa[at]m.titech.ac.jp
齊藤 彰吾: saito.s.bc[at]m.titech.ac.jp
テーマ6:
久保内昌敏:kubouchi.m.aa[at]m.titech.ac.jp
伊原 学:ihara.m.aa[at]m.titech.ac.jp
亀田 恵佑: kameda.k.ac[at]m.titech.ac.jp
KURNIAWAN WINARTO: kurniawan.w.ab[at]m.titech.ac.jp
全体
中薗 和子: nakazono.k.aa[at]m.titech.ac.jp

オフィスアワー

メールで事前予約すること。

このページのトップへ