2023年度 応用化学実験第一 a/b   Chemical Engineering and Industrial Chemistry Laboratory I a/b

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開講元
応用化学系
担当教員名
大河内 美奈  中嶋 健  青木 才子  下山 裕介  髙尾 俊郎  澤田 敏樹  中薗 和子  池澤 篤憲  竹原 陵介  織田 耕彦  宮地 輝光  梁 暁斌  奥山 浩人  佐藤 宏亮  伊藤 繁和  大石 理貴  久野 恭平  井戸田 直和  高橋 明  本間 千裕  秦 裕樹 
授業形態
   (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木5-8(大岡山西4号館実験室,WL1-401(W541))  金5-8(大岡山西4号館実験室,W3-207(W323),M-B45(H105))  
クラス
-
科目コード
CAP.F201
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2023年3月22日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

[実験の概要] 本実験では、応用化学系の学生を対象として、化学実験を行うために必要な知識および技術について、講義と実習により学ぶ。そして物理化学実験、分析化学実験の基本操作を教授するために、これらの分野に関する2つの実験テーマを設定する。「分光学の基礎」では、代表的な分光法についてその原理と結果の解釈を学ぶ。また「溶液の熱力学的取り扱い」では、固液平衡と凝固点降下について学ぶ。また、実験レポートの書き方についても講述する。
[実験のねらい] 物理化学の基礎概念を理解するには、実際に測定を行い、データの解析により得られた結果を深く考察することが必須である。本実験ではまず、基本操作、基礎知識とともに実験レポートの書き方を講述する。その後2つの実験を通して、測定技術、データ解析能力、レポート作成能力を養う。

到達目標

本実験を履修することによって、
(1) 物理化学、分析化学一般の基礎概念を修得できる。
(2) 安全かつ適切に物理化学と分析化学の実験を実施するために身につけておくべき基礎的知識と技術を修得できる。
(3) 実験報告書であるレポートの書き方を修得できる。

キーワード

(化学実験の基礎)実験ノートおよびレポートの書き方、化学物質の取扱い、化学実験の基本操作、実験データおよび数値の取扱い
(分光学の基礎)分光学的方法、振動回転スペクトル、赤外吸収スペクトル、原子スペクトル、発光スペクトル
(溶液の熱力学的取り扱い)固液平衡、凝固点測定

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

本実験ではまず(1) 第1回のガイダンスで詳しい説明を行う。その後、3グループに分かれて、(2) 化学実験の基礎を受講し、その後グループ分けに従って、2つの実験テーマ (3) 分光学の基礎、(4) 溶液の熱力学的取り扱い、を順番に受講する。最終回に、理解度確認のための演習と解説を実施する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 概要・化学実験の基礎①(実験の準備・記録・報告書作成の説明) 実験の概要と基本操作を理解し、実験計画を立案することができる。実験レポートを標準的な書き方で作成することができる。
第2回 化学実験の基礎②(化学安全教育) 化学実験を行う上で心得ておくべき基本事項および薬品等の取り扱いを理解し、安全に実験が行える。
第3回 化学実験の基礎③(分析実験の基礎) 液体試料の精確な溶液調製技術を習得し、実験データの数値を正しく扱える。
第4回 化学実験の基礎④(分離精製操作の基礎) 複数の化合物の混合物から、特定の化合物を分離精製するための実験操作を正しく行うことができる。
第5回 化学実験の基礎⑤(化学反応の基本操作) 精密天秤を用いて精確に物質を計量できる。反応を伴う実験の実験操作の意味を理解して正しく行える。
第6回 分光学の基礎①:2原子分子の振動回転スペクトル 2原子分子の振動回転スペクトルと分子構造の関係を説明できる。
第7回 分光学の基礎②:赤外吸収スペクトル測定 ハロゲン化水素、一酸化炭素などの振動回転スペクトルの測定と、分子の結合距離、バネ定数の計算ができる。
第8回 分光学の基礎③:水素原子スペクトル 水素原子の発光スペクトルとその量子状態の関係を説明できる。
第9回 分光学の基礎④:水素原子の発光スペクトル測定 水素放電管によって水素原子の発光スペクトルの測定し、水素原子の量子状態を決定できる。
第10回 溶液の熱力学的取り扱い①:固液平衡の理論 熱力学関係式を用いた固液平衡の理論について説明できる。
第11回 溶液の熱力学的取り扱い②:純溶媒(シクロヘキサン)の凝固点測定 純溶媒の凝固点の測定原理・測定法を説明できる。
第12回 溶液の熱力学的取り扱い③:凝固点測定データの解析 冷却曲線データを用いて純溶媒と混合系の凝固点を決定できる。
第13回 溶液の熱力学的取り扱い④:未知試料の凝固点の測定による分子量の推定 混合溶液の凝固点測定データをもとに、溶液中の未知試料を推定できる。
第14回 実験レポートの添削指導 実験レポートにおいて必要な全ての項目を不足なく記述し、実験結果の説明と考察を自分の言葉を用いて記述できる。
第15回 まとめ理解度確認のための演習と解説 演習により総合的な理解度を高め,到達度を自己評価する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね50分を目安に行うこと。

教科書

『応用化学実験第一』 東京工業大学物質理工学院応用化学系
 を初回ガイダンスの前に生協で購入すること。

参考書、講義資料等

化学同人編集部 編、「続 実験を安全に行うために-基本操作・基本測定 編- 第4版」(化学同人)ISBN-13: 978-4759818345
P. Atkins, J. de Paula著、千原、中村 訳「アトキンス物理化学(下)」第10版(東京化学同人)ISBN-13: 978-4807909094

成績評価の基準及び方法

実験態度およびレポート評価合計(83%)とテスト(17%)で基本操作と各実験テーマの理解度を評価する。
遅刻や課題の未提出を繰り返した場合は不合格とすることがある。

関連する科目

  • CAP.B202 : 応用化学実験第一b/a
  • CAP.B203 : 応用化学実験第二a/b
  • CAP.B204 : 応用化学実験第二b/a
  • CAP.H201 : 物理化学1(熱力学)
  • CAP.H202 : 物理化学2(化学平衡)
  • CAP.H205 : 量子化学1(量子力学)
  • CAP.O303 : 機器分析B(有機分子スペクトル解析特論)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

この科目は,「応用化学実験第一b/a」の「履修前提科目」である。

物質理工学院応用化学系の所属学生であること。または、応用化学実験委員会が別途、指定した条件を満たしていること。また本科目は応用化学実験第一b/aとともに応用化学実験第三の「履修前提科目」である。したがって、a/bとb/aの両方を履修すること。

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