[講義の概要] 計算化学は、分子の構造や物性を理論的に理解するための重要な手法である。近年、コンピュータ性能の向上に伴い、計算化学は有機化学の研究現場でも多用されるようになってきた。そこで本講義では、代表的な計算手法である分子動力学法と密度汎関数法に関して平易に解説する。また、計算によって得られる結果の一例として、機能性分子である共役化合物や芳香族化合物の性質を理論化学的に解説する。全体を通して、計算化学が有機化学にどのように活用されているかを感じ取ってもらうことを目的とする。
[講義のねらい] 本講義では、前半で代表的な計算手法である分子動力学法と密度汎関数法の概要について解説する。後半では、代表的な機能性分子である共役化合物や芳香族化合物の構造と性質、および光化学や光励起状態について解説する。
本講義を履修することによって次の能力を習得する。
(1)代表的な計算化学手法である分子動力学法と密度汎関数法の特徴を説明できるようになる。
(2)代表的な機能性分子である共役化合物や芳香族化合物の特徴を説明できるようになる。
分子動力学法、密度汎関数法、共役化合物、芳香族化合物
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
本講義は、前半3回にて代表的な計算化学手法である分子動力学法と密度汎関数法について解説し、後半3回にて代表的な機能性分子である共役化合物や芳香族化合物について解説する。そして最終回には理解度確認のための演習を実施する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 分子動力学法の基礎 | 分子動力学法の基礎について、説明できるようになる。 |
第2回 | 密度汎関数理論の基礎(1) | 密度汎関数理論の基礎について、説明できるようになる。 |
第3回 | 密度汎関数理論の基礎(2) | 密度汎関数理論に用いる基底関数や汎関数ついて、説明できるようになる。 |
第4回 | π共役化合物の構造 | π共役化合物の構造的な特徴について、説明できるようになる。 |
第5回 | π共役化合物の電子的性質 | π共役化合物の電子的性質について、説明できるようになる。 |
第6回 | π共役化合物の光励起状態の化学 | π共役化合物の光励起状態と反応性について、説明できるようになる。 |
第7回 | 第1〜6回の講義内容に関する演習 | 本講義で扱った内容に関して、演習問題に解答できるようになる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
講義において配布する資料を使用します。
マクマリー有機化学(14,15,30章)第9版(東京化学同人) ISBN 978-4-8079-09148
構造有機化学 基礎から物性へのアプローチまで(東京化学同人)ISBN 978-4-8079-0957-5
授業参加度(30%):授業参加度は出席と課題提出などにより算出する
理解度確認のための演習(70%)
履修の条件を設けない。
nagashima.y.ae[at]m.titech.ac.jp
fukushima[at]res.titech.ac.jp
メールで事前予約すること。